知能化、省メンテナンス性が加速する包装機器、“紙化”の流れも加速へ:JAPAN PACK 2019(2/3 ページ)
2019年10月29日〜11月1日に千葉県の幕張メッセで開催された包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)」。「きっとみつかる、あなたの包程式」を開催テーマとし、450社以上が包装機器や新たな包装プロセスなどを紹介した。包装機器業界における新たな傾向について、開催期間中に発表された「JAPAN PACK AWARDS 2019」の受賞製品を中心に紹介する。
かみ込み防止の仕組みを加えた川島製作所の縦ピロー包装機「KBF-6000X2」
優秀賞を受賞した川島製作所の縦ピロー包装機「KBF-6000X2」は「生産中のあらゆるロスを低減する」をコンセプトとし、さまざまな新機能を搭載。具体的なロスとしては「シールのかみ込みなどの不良ロス」「操作の難解さによるタイムロス」「不具合などによる部材の交換ロス」の削減を目指した。
これらを解決するために、包装機の各所にセンサーを設置してデータを取得。正常時のデータを取得し続け、これらのロスに直結するような異常が発生しそうな場合は、故障や交換ロスが発生する前に対応する「予兆保全」を実現しているという。
また、独自のシールかみ込み防止機構なども用意。縦ピロー包装機は、基本的にはまずフィルムの背をシールして筒状にする。その後、縦方向に製品を落下、充てんさせながら袋の底となる部分をシールしてカットする流れで包装する。この底をシールする際に製品をかみ込み不具合が発生する場合があるが、かみ込み防止機構では落下する製品を一度止める機構を用意し、シール部に商品のかみ込みが起こらないようにするという。
インテリジェンス性能を備えた東京自働機械製作所「TWFX型縦型ピロー包装機」
優秀賞を受賞した東京自働機械製作所の「TWFX型縦型ピロー包装機」は、ユーザーの立場に立ち、使い勝手やメンテナンス性を高めた点に加え、センサーと自動制御機能によるインテリジェンス性を加えた点が特徴である。筐体に透明のアクリル素材を多く採用し、異常発生時などに外から見るだけで問題が把握できるようにしている。さらに、筐体が大きく開く構造とし、メンテナンス作業などが行いやすくした。
インテリジェンス機能については、フィルムの位置ズレをセンサーでリアルタイムに検知し、自動制御で修正するというものだ。「フィルムのズレによる不具合は包装機ではよくあるものだが、フィルムを送るポイントのいくつかでズレが把握できれば修正することも可能となる。止まらない機械を実現する」(東京自働機械製作所)としている。
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