「JAPAN PACK 2022」はリアルとオンラインのハイブリッド開催、306社が出展:JAPAN PACK 2022
日本包装機械工業会が包装に用いる機械や材料をはじめとする包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2022(日本包装産業展)」の開催概要を発表。今回は初めて、リアル展示会とオンライン展示会を併催する“ハイブリッド展示会”としての開催となる。出展者数はリアル展271、オンライン展35の合計306社・団体。
日本包装機械工業会は2022年1月13日、東京都内で会見を開き、包装に用いる機械や材料をはじめとする包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2022(日本包装産業展)」(2022年2月15日〜18日、東京ビッグサイト)の開催概要を発表した。今回は初めて、リアル展示会とオンライン展示会を併催する“ハイブリッド展示会”としての開催となる。同日時点の出展者数はリアル展271、オンライン展35の合計306社・団体。リアル展の出展小間数は1507で、来場者は4日間の合計で4万人を見込む。
JAPAN PACKは、製造加工から計量、充填(じゅうてん)、包装、印刷、印字、検査、梱包といった包装プロセス全体と関わるさまざまな分野の新製品や新技術、新システムなどが国内外から多数集結する総合展である。1964年の第1回開催から今回で33回目を迎える。これまでは秋に開催してきたJAPAN PACKだが、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期の影響もあって今回は初の2月開催となった。なお、次回は2023年秋の開催を予定しているという。
JAPAN PACK 2022の開催テーマは「ともにつくる 未来の包程式」だ。JAPAN PACK 2022 実行委員会 実行委員長の山本治男氏は「樹脂の利用が多い包装技術は、廃プラスチックの削減やカーボンニュートラルといった持続可能な社会の実現に向けて何ができるか問われている。包装機械とそのサプライチェーンでできること、解決策を『包程式』として見せる展示会にしたい」と語る。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策についても「想定できるあらゆる対策を考えて準備してきた。万全の状態で開催する」(山本氏)とした。
「クオリティAIチェッカー」のデモ実機を披露
展示は、包装にまつわる5つの課題である「生産性の向上」「地球環境への課題」「食料に関する課題」「安全安心の実現」「市場の拡大」をテーマに展開される。特に、前回の「JAPAN PACK 2019」から注目を集めている自動化関連の展示は、会場となる東京ビッグサイト西展示棟1ホールと南展示棟1ホールで機械展示を展開する。一方、環境関連の展示は西展示棟4ホールを中心に行う予定だ。
自動化の関連では、西展示棟1階のアトリウムで、日本包装機械工業会の事業組織「IoT研究会」が構築した「クオリティAIチェッカー」のデモ実機を披露する。同会の会員企業7社の実務設計者が参画しており、クッキーやあられの焼き具合の検品作業について、AI(人工知能)と人の感性を融合させるコンセプトになっているという。
環境関連では、西展示棟4ホールで、2022年4月施行予定の「プラスチック資源循環促進法(プラ新法)」などの最新情報や、パッケージのライフサイクル包装工程ごとの課題や事例を可視化した展示などを行う「包装ライフサイクル展示コーナー」を企画している。大日本印刷や凸版印刷といった、国内でさまざまな製品の包装に関わる企業が参画し、2050年に向けた“包装の在り方”を発信する内容になっている。
リアル展示会場で行われる講演は約30本を予定。基調講演は、官民一体で海洋プラスチック問題の解決を目指すプラットフォームCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)の会長を務める花王 取締役会長の澤田道隆氏が登壇。特別講演では、経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課 課長の羽田由美子氏が、注目のプラ新法について解説する。
オンライン展示会は、リアル展示会をサポートするツールという位置付けで、2022年1月17日にJAPAN PACK 2022公式Webサイトで公開され、その後リアル展示会が終わった次週の同年2月25日まで行われる。各出展者情報ページで動画掲載などが可能になっており、チャットやオンライン商談による双方向コミュニケーションも可能だ。
リアル会場で2月16日に行う学生向けイベントの「包装業界見学ツアー」についても、その内容を撮影した動画を用いたオンラインツアーを2月18日に行う予定にしている。
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