三菱重工のAI活用、NTTデータが脱炭素関連のコンサルサービスを高度化:脱炭素
NTTデータは、同社の製造業向けグリーンコンサルティングサービスを高度化すると発表した。三菱重工業のAIソリューションを活用してサプライチェーン全体のGHG排出量を可視化し、製造業のカーボンニュートラル達成を支援する。
NTTデータは2022年1月27日、同社が提供する製造業向けグリーンコンサルティングサービスに、三菱重工業のAI(人工知能)ソリューション「ENERGY CLOUD」を活用することで、サービスを高度化すると発表した。
NTTデータのグリーンコンサルティングサービスでは、GHG(温室効果ガス)排出量の可視化や可視化を自動化するシステムを構築する。同サービスのうち、今回は「GHG排出量の可視化」「燃料転換設備投資シミュレーション」「産業用自家用発電の余剰電力活用提案」を高度化する。
三菱重工業のENERGY CLOUDは、製造プラントのリアルタイム実測データに基づいてプラントの運転状況のデジタルツインモデルを作成し、GHG排出量を可視化する。
ENERGY CLOUDをグリーンコンサルティングサービスで活用することで、製品単位に加えて、生産時期やラインごとにカーボンフットプリント(CFP)を把握できるようになり、サプライチェーンの下流まで含めたGHG排出量の可視化が可能になる。
これにより、排出量の算定、報告の世界的な基準である「GHGプロトコル」のScope1(直接排出量)、Scope2(間接排出量)削減に寄与する。
さらに、デジタルツインモデルを使ったAIを用いて、GHG排出量を削減するための設備投資計画や自家発電計画を最適化するサービス、最適化によって生まれた余剰電力の活用を支援するサービスを提供し、製造業のカーボンニュートラル達成を支援する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 企業間の排出量取引する「カーボンクレジット市場」、経産省が構想
経済産業省は2022年2月1日、脱炭素に向けた社会や経済システムの変革を推進するために、企業と官民学のプレイヤーによる「GXリーグ」を設立するとして、その基本構想を発表した。 - サプライチェーン上のGHG排出量を可視化、CO2削減を支援するサービス
PwCコンサルティングは2022年2月1日、CO2排出量を可視化するプラットフォームなどを手掛けるbooost technologiesと連携して、企業のサプライチェーン上におけるGHG排出量の可視化、削減サービスを提供開始すると発表した。 - 空調換気や車載電池など脱炭素を加速、パナソニックが「GREEN IMPACT」推進
パナソニックは2022年1月6日、サステナビリティ経営に関する同社グループ全体の取り組みと、今後の方針に関する説明会を開催した。本稿では、いわゆるESG(環境、社会、ガバナンス)の観点の内、脱炭素など環境に関する同社の取り組みを抜粋して紹介する。 - 2030年度には2兆3430億円、脱炭素社会に必要なエネルギー設備などの市場予測
矢野経済研究所は、脱炭素社会を実現するための国内エネルギー設備、システム市場の予測結果を発表した。2021年度の市場規模見込みは7250億円。2030年度には2兆3430億円、2050年度には3兆9850億円に成長すると予測した。 - 供給網のCO2を算定・可視化、富士通グループの知見を生かした新サービス
富士通とRidgelinezは2021年12月24日、サプライチェーンにおけるCO2排出量の算定や可視化を行うサービスを開始すると発表した。これに加えて、SX実現に向けたコンサルティングサービスも2022年1月から開始するとした。 - ビール工場の排水から出るバイオガスで発電、アサヒグループが進める脱炭素化
グリッドは2021年12月2日、物流や産業設備における脱炭素化の取り組みをテーマとしたウェビナー「社会インフラが目指す脱炭素化社会」を開催した。本稿では同ウェビナーに登壇したアサヒグループホールディングス Sustainability マネージャーの原田優作氏による、同社の脱炭素化に関する取り組みの講演内容を抜粋して紹介する。