環境発電と無線技術を組み合わせてモジュール化、電源なしで遠隔監視:製造業IoT(2/2 ページ)
OKIネクステックでは、IoTの活用拡大に向けて、身の回りのわずかなエネルギーを電気エネルギーに変える環境発電技術と、低消費電力無線技術を組み合わせた「環境発電無線」のモジュール提供および開発支援を強化する。既に鉄道向けなどで実績が生まれつつあり、電源確保が難しい環境での遠隔監視用途の開拓を進める方針だ。
環境発電無線技術をモジュールとして提供
OKIネクステックではこれらの環境発電無線技術をモジュール化し、さらにその価値訴求を広げていく方針だ。1つは、通信方式にBLE バージョン4.2を採用し、発電方式に光発電を活用した環境発電 BLEビーコンだ。光発電で発電した電力を0.8Vから昇圧可能な電源回路で安定化させることで無線通信を実現。温度センサーや加速度センサーを組み合わせることで、端末を持ち込むだけで電源の確保や電池交換なしでメンテナンス負荷を抑えた形でデータ収集が可能となる。
もう1つの事例が、Sigfoxを使った環境無線発電モジュールだ。これは無線方式にSigfoxを採用し、発電素子としては光発電と振動発電の2つを組み合わせて採用。さらに蓄電デバイスを搭載し、環境発電からここに蓄電することで安定した無線通信を実現する。最初に光発電で約40分間、振動発電で約110分間充電することで、数kmのSigfox通信を行える。
OKIネクステックではこれらのモジュールを「第36回インターネプコン ジャパン」(2022年1月19〜21日、東京ビッグサイト)などの展示会やイベントなどを通じて提案を進めていく方針だ。これらの取り組みを通じ、環境発電無線関連技術での売上高を2021年度の約5億円規模から、2023年度には倍増となる10億円に拡大することを目指している。野末氏は「環境発電無線端末だけでなく、OKIグループとの連携で、これらのデータを収集するIoT基盤などとも組み合わせて展開することも検討している」と今後の展望について語っている。
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