日立建機は日立ブランドを堅持、伊藤忠の資本参加で北米事業を加速:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
日立建機は、日立製作所から伊藤忠商事と日本産業パートナーズが折半出資する「HCJIホールディングス合同会社」への日立建機株式の譲渡による筆頭株主の異動と、これに伴って推進する事業方針について説明した。
「日立マークの付いたオレンジの建機の価値は高い」
現在、日立は子会社の売却などをはじめとするグループ再編を進めており、最後の懸案になっていたのが日立建機の処遇だった。今回の日立建機の株式売却は、日立金属や日立化成、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)のように全株式を売却するのではなく、現在も約40%の株式を保有する日立物流と同様に、連結対象から外しながら持ち分法対象として残すことで、日立グループとしての事業連携を進められる余地を残した形となった。
日立建機としても日立グループとの関係性を継続していく方針だ。まず、日立建機が展開する建設機械遠隔監視ソリューション「ConSite」は、日立のLumadaの事業展開で重要な役割を果たしており、日立建機としても進化を続けるLumadaの技術を取り込んでConSiteを強化していきたい考えだ。「世界で稼働する日立建機の約30万台の建機のうち15.8万台がConSiteを契約している。これまでConSiteを提供できていなかった米州でも展開を進めて、契約数を伸ばしていきたい」(平野氏)。
また、マイニング事業での展開を計画しているトロリー受電式ダンプトラックの開発をはじめ、日立の鉄道/自動車技術を活用した車体安定化や自律化、カーボンニュートラル達成で求められる環境対応技術などで、日立グループとの協業は重要な役割を果たす。
平野氏は「米州での独自展開を進める中で、日立マークの付いたオレンジの建機の高い価値を再認識している。そういった意味でも日立ブランドで事業を進められることは大きなメリットだ」と強調する。
2021年度の日立建機の連結業績予想は売上高9200億円、調整後営業利益740億円などとなっている。今後は、米州事業の立ち上げが急務になるが、伊藤忠やJIPの支援も得ながら2025年度には3000億円規模まで拡大させたい考えだ。その上で、売上高1兆円以上、営業利益率を安定的に2桁にしていくことを目指すとしている。
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