オムロンとキヤノンが協働ロボットの“目”と“手”で連携:協働ロボット
オムロンとキヤノンは2021年12月21日、オムロンの協働ロボットとキヤノンのネットワークカメラを組み合わせて使用しやすくするように連携を強化することを発表した。オムロンの協働ロボット向け周辺機器群「Plug & Play」にキヤノンのネットワークカメラ向け画像処理ソフトウェア「Vision Edition-T」を2022年1月上旬から加え、標準で連携できるようにする。
オムロンとキヤノンは2021年12月21日、オムロンの協働ロボットとキヤノンのネットワークカメラを組み合わせて使用しやすくするように連携を強化することを発表した。オムロンの協働ロボット向け周辺機器群「Plug & Play」にキヤノンのネットワークカメラ向け画像処理ソフトウェア「Vision Edition-T」を2022年1月上旬から加え、標準で連携できるようにする。
柵が不要で人と同じスペースで作業ができる協働ロボットは、製造現場の労働力不足解消の手段として大きな注目を集めている。しかし、協働ロボットは半完成品とされ、カメラやハンドなど周辺機器との連携が求められる製品で、システムインテグレーションやプログラミングが必要となり、これが新たな用途開拓のハードルになっていた。そこで、周辺機器との連携の容易化が普及拡大のポイントだとされてきた。
オムロンでは2018年5月に台湾の協働ロボットメーカーであるTechman Robot(以下、テックマン)と協業し、協働ロボットの展開を開始。同時に2018年から協働ロボットに簡単に取り付けや設定が行える周辺機器を「Plug & Play」機器として認定を進めてきた。
一方、キヤノンはデジタルカメラなどで培ったイメージング関連技術の産業分野への転用を強化しており、FA領域は注力領域として位置付けている。その中で、協働ロボットとネットワークカメラとの連携強化にも力を入れており、既にデンマークのユニバーサルロボットやデンソーウェーブなどとの連携を進めている。
今回オムロンでは「Plug & Play」に、キヤノン製のネットワークカメラの映像情報を画像処理できる画像処理ソフトウェア「Vision Edition-T」を追加した。オムロンの協働ロボットにはハンド部分にカメラが標準搭載されているが、新たにパン、チルト、ズームなどを自由に行えるネットワークカメラによる映像を組み合わせて活用できるようになるため、多様なモノづくりの自動化に貢献する。
例えば、協働ロボットの作業中に並行してネットワークカメラで製品の検査をしたり、検査対象の製品種類や検査箇所を容易に変更できたりするため、協働ロボットに標準搭載のカメラで行う検査をより短時間で、柔軟な対応が可能になる。また、協働ロボットで加工機への部品供給や取り出し作業を担わせる場合も、加工機の進捗状況などをネットワークカメラが認識し、状況に応じた指示を協働ロボットに与えることで、自動化を簡単に実現できる。
オムロンの「Plug & Play」では、キヤノン以外のネットワークカメラとの連携を行う可能性も今後はあるが、キヤノンとの連携を進めた理由についてオムロンでは「オムロンの協働ロボットには標準でカメラを搭載しているが、ネットワークカメラにより俯瞰的な映像情報を活用できるようになることで、製造現場の自動化の範囲をさらに広げられる。専用のセンサーなしに映像を撮影するだけで、状況を読み取り、ロボットに新たな作業を行わせることができる」(オムロン)としている。
一方、キヤノンでも既に多くのロボットメーカーとの連携を行っているが、オムロンとの提携の意義について「ロボットの目という立場だけでなく、オムロンはさまざまな制御機器やセンサーなど製造現場の機器を保有しており、ロボットとの連携だけでなく製造現場全体の目としての活用などへも広げられる」(キヤノン)としている。
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