独自IoT無線搭載のNFCリーダー、ユニアデックスの「NAVIトレース」が採用:組み込み採用事例
ソナスの工程管理デバイスが、ユニアデックスの工程管理ソリューション「NAVIトレース」に採用された。ソナス独自のIoT無線「UNISONet」を搭載したNFCリーダー端末は、端末ごとの通信設定が不要で、ロスのない安定した通信が可能だ。
ソナスは2021年12月8日、同社が開発した工程管理デバイスが、ユニアデックスの工程管理ソリューション「NAVIトレース」に採用されたと発表した。
NAVIトレースは、小ロットを生産する中小規模工場の作業進捗状況をリアルタイムで可視化し、業務効率化につなげるソリューションだ。
製品の識別情報を書き込んだICカードをNFCリーダー端末にかざすことで、製品ごとの作業工程の開始および終了時刻が記録される。当該データはクラウドに自動アップロードされるため、管理者は作業状況を遠隔からリアルタイムで把握できる。
NAVIトレースに採用されたのは、ソナス独自のIoT無線「UNISONet」のうち、920MHz帯の「UNISONet Leap」を搭載するNFCリーダー端末だ。UNISONetは、従来の無線技術と異なる「同時送信フラッディング」という転送方式を用いており、ロスのない通信を特徴とする。また、端末ごとの通信設定が不要で、設置するだけで利用できる。今回の正式採用までに二度の実証実験を実施し、改良を重ねた。
UNISONet Leap搭載のNFCリーダー端末を採用したことで、NAVIトレースは、工場内に点在する端末間にメッシュネットワークを構築して安定した通信が可能になる。通信設定が不要で利用しやすいため、小規模な製造企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入するのに適している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東大発ベンチャーが打ち破るLPWAの限界、マルチホップ無線「UNISONet」の可能性
東京大学発ベンチャーのソナスが開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet」は、LPWAネットワーク技術として独自のポジションを築いている。橋梁やビルなどの構造物振動モニタリングの用途で、本格採用に向けた実証実験が進んでおり、工場や倉庫内設備の予知保全という新たな用途に向けた事業展開も広げようとしている。 - 「UNISONet」の無線通信モジュールが「Open Blocks IoT」や「SPRESENSE」に対応へ
ソナスは、「ワイヤレスジャパン2021」において、同社独自のIoT向け無線規格「UNISONet」を用いたIoT機器開発向けの無線通信モジュールと、IoTゲートウェイやIoT機器開発プラットフォームへの同モジュールの実装例を披露した。 - マルチホップLPWA「UNISONet」のサブギガ版が好調、ソナスがセンサーも拡充
ソナスは、「ET&IoT Technology 2019(ET2019)」において、2019年6月から提供を始めた920MHz帯を用いる省電力のマルチホップ無線「UNISONet Leap」をアピールした。 - 100台規模の機械を一括管理できるIoTワイヤレス稼働監視システムを先行販売
ソナスは、既存の設備や機械への取り付けとモニタリングが容易なワイヤレス稼働監視システムの先行販売を開始した。独自開発のIoT無線「UNISONet」を活用し、工場内の稼働監視業務の省力化に貢献する。 - マルチホップ型省電力無線通信規格の920MHz帯版を発表
ソナスは、IoT向けマルチホップ型の省電力無線通信規格「UNISONet」の920MHz帯版として、通信速度などの性能を重視した「UN Leap」と、通信距離重視の「UN Metro」を発表した。 - マイクロ秒精度で時刻同期できるLPWA、最短2週間のPoCサービスを開始
ソナスは、「第8回 IoT/M2M展 春」において、同社が独自に開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet(ユニゾネット)」を展示した。IoT向けのLPWAネットワークに最適として提案を進めている。