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マイクロ秒精度で時刻同期できるLPWA、最短2週間のPoCサービスを開始ESEC2019&IoT/M2M展

ソナスは、「第8回 IoT/M2M展 春」において、同社が独自に開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet(ユニゾネット)」を展示した。IoT向けのLPWAネットワークに最適として提案を進めている。

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UNISONetの仕組み
UNISONetの仕組み(クリックで拡大) 出典:ソナス

 ソナスは、「第8回 IoT/M2M展 春」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)において、同社が独自に開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet(ユニゾネット)」を展示した。IoT(モノのインターネット)向けのLPWA(低消費電力広域)ネットワークに最適として、ビルやインフラの状態監視、工場や倉庫の予知保全をはじめさまざまな用途で提案を進めている。

 UNISONetは、「同時送信フラッディング(CTF)」というデータ転送方式と「細粒度スケジューリング」を組み合わせることで、複雑なデータ転送経路制御(ルーティング)を行わなくてもマルチホップ無線通信を行える技術だ。CTFは、2011年に発見された「複数のノードから、同一データを同一タイミングで受信すると、致命的な干渉が発生しない」という現象に基づいており、これを実用的な通信技術に仕立てたのがUNISONetになる。

 特徴としては、電波環境変動に強く安定で、電池で年単位駆動の省電力、2KB/sの高速通信、上りと下りの双方向ともに1秒以内の低遅延、ロスレス、時刻同期、1つのネットワーク内に数百台以上という多数収容などが挙げられる。中でも「μsオーダーの時刻同期は、他のLPWAネットワークにはない特徴になるだろう。SigfoxやLoRaWANとは競合しない領域を狙っている」(ソナスの説明員)という。

UNISONetのデモ
UNISONetのデモ。赤丸で示した中央にある親機から、周辺の子機へ同期パケットを送信。子機のLEDには、マルチホップ通信のホップ数が表示されている(クリックで拡大)

 現在のUNISONetは、2.4GHz帯のIEEE 802.15.4を物理層として用いており、この場合1ホップ距離は最大500m、通信速度は最高2KB/s、時刻同期精度が10μsとなっている。この「UN Classic」により、構造物の振動モニタリングや工場や倉庫内の設備の予知保全などで幾つかの導入実績が出ている。2019年5月末には、920MH帯を用いる新たな規格として、1ホップ距離が最大2kmの「UN Leap」、同最大5kmの「UN Metro」を発表する予定だ。

 また、2019年4月から、UNISONetを活用したPoC(概念実証)を最短で2週間で始められる「Dash PoCサービス」の提供も始めた。「従来はUNISONetを動作させる開発ボードとセンサーの組み合わせがカスタマイズに近い対応になっていたが、Dash PoCサービスではモジュール化することで対応しやすくした。クラウドも併せて用意しているのでPoCを早期に始められる」(同説明員)という。

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