マルチホップ型省電力無線通信規格の920MHz帯版を発表:組み込み開発ニュース
ソナスは、IoT向けマルチホップ型の省電力無線通信規格「UNISONet」の920MHz帯版として、通信速度などの性能を重視した「UN Leap」と、通信距離重視の「UN Metro」を発表した。
ソナスは2019年5月31日、同社が開発したIoT(モノのインターネット)向けマルチホップ型の省電力無線通信規格「UNISONet(ユニゾネット)」の920MHz帯版について発表した。同年6月20日から、主に通信速度の性能を重視した「UN Leap」と、通信距離重視の「UN Metro」のサンプル提供を開始する。
UNISONetは「同時送信フラッディング」という転送方式を採用し、安定性や省電力、高速、双方向低遅延、ロスレス、時刻同期、多数収容などの要件を同時に満たす無線通信規格だ。同社は既に2.4GHz帯UNISONetの「UN Classic」を展開しており、UN Classicは、建造物の構造調査や製造設備、機械のモニタリングに利用されている。
920MHz帯は、通信距離が2.4GHz帯の約10倍、通信速度は400MHz帯の10倍以上で、他の無線からの影響を受けにくいという特性を持つ。UN LeapとUN Metroはこの特性とUNISONetの特徴を備えており、マルチホップにより数kmから数十km単位の長距離通信が可能になる。
UN Leapは、スループットが最大2KB/s。1ホップ当たりの最大通信距離は2kmで、高性能マルチホップ通信に対応する。
UN Metroは、1ホップ当たりの最大通信距離が5kmと通信距離を重視した仕様となっている。中継ノード数を減らせるため、小規模の通信データ量で広範囲にIoTシステムを構築したいケースに適している。
両仕様は、これまでの用途に加えて、コンサート会場でのLED制御や街全体をIoT化するスマートシティなど、新たな領域での活用が見込まれる。
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