伝送効率4倍のMECHATROLINK-4に対応、マシンコントローラー用CPUユニット:FAニュース
安川電機は、マシンコントローラー「MP3200」シリーズ用CPUユニット「CPU-203F」の販売を開始した。従来機種が対応するネットワークより伝送効率が4倍のMECHATROLINK-4に対応し、通信速度の高速化と制御軸数の多極化ニーズに応える。
安川電機は2021年12月7日、マシンコントローラー「MP3200」シリーズ用CPUユニット「CPU-203F」の販売を開始した。従来機種が対応する産業ネットワーク「MECHATROLINK-III」に比べて4倍となる伝送効率の「MECHATROLINK-4」に対応する。価格はオープン。
CPU-203Fは、MECHATROLINK-4通信プロセッサを4基搭載しており、MECHATROLINK-4の通信処理を並列実行する。62.5マイクロ秒の伝送周期に対応し、伝送周期あたりの制御軸数を向上することで、オプションモジュール無しで最大256軸を制御する。
マルチコアの高速プロセッサを採用し、各コアによる処理の最適化を図ることで、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)を制御するラダープログラムの実行処理性能が向上した。また、ギガビットEthernetを2ポート標準で装備する。それぞれ情報系データ処理(汎用Ethernet)と制御系データ処理(EtherNet/IP)を選択でき、並列化することで高速通信を可能にする。
サイズは64×130×137mmで、質量は約700g。ユーザーメモリ容量は31MB、外部メモリ用にSDカードスロットを1つ備える。半導体製造装置のモールド装置やダイボンダ、液晶製造装置のスクライバやシールディスペンサー、電子部品組み立て装置のチップマウンタやはんだ印刷機などの用途に適している。
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