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カギ代わりのスマホアプリにトラブル、新しい機能や装備の満足度を高めるには自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

さて、先週の土曜日、テスラのオーナー向けスマートフォンアプリで障害が発生したと報じられました。アプリがサーバに接続できず正しく動作しなかったため、車両とアプリの接続もうまくいかなかったようです。その結果、リモコンキーを持ち歩かずアプリを鍵代わりにしていたユーザーは、クルマに乗れなかったり、始動したりできなかったとのこと。

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Appleも使い方のレクチャーで店頭を活用する

 J.D. パワー ジャパンが発表した「2021年 日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査」でも、先進装備の課題について触れられていました。同調査ではADAS(先進運転支援システム)、デジタルルームミラーやジェスチャーコントロール、デジタルキーなど32の機能や装備について、「不具合」の経験や評価を新車オーナーに尋ねました。

 調査では、一定数のユーザー評価を得た13の機能・装備のうち、8つで「機能や操作が分かりにくい、使いにくい」と紹介しています。また、搭載されているけれども利用したことがない、という回答が多い装備や機能もみられました。利用しない理由については「必要ない」との回答が約半数となり、「無駄な機能や装備をなくすための、仕組みの見直しが望まれる」(J.D. パワー ジャパン)と手厳しく解説されています。

 また、「新しい機能や装備の多くはユーザーがストレスなく使用できるものとなっておらず、ユーザビリティの改善が課題」(J.D. パワー ジャパン)だといいます。販売店のスタッフから機能の説明があったかどうかで評価を比較すると、説明があった方が評価が高くなることも分かりました。ユーザーの理解や習熟を促すことが評価アップに寄与するため、販売店のトレーニングが重要であるとしています。

 機能や装備のカテゴリー別にみると、「利便装備」の部門ではトヨタ自動車のデジタルルームミラーが、「安全・運転支援」部門ではスバルの後退時衝突被害軽減ブレーキが、最も高い評価を受けたとのことです。

 機能や装備についてユーザーに丁寧に説明することが満足度向上に重要であるならば、新車のオンライン販売はひと工夫必要になりますね。オンライン販売は、新車ディーラーに行くことにハードルを感じている人をターゲットにしていることが多いですが、そういった人が機能や装備について教えてもらうために購入後に販売店に出向くとは考えにくいですね。直感的に理解しやすく、繰り返し視聴できる動画があると喜ばれそうです。

 テスラの場合は、障害に関するツイートにイーロン・マスク氏がいち早く返信する辺りがユーザーの納得感につながっていると考えられますね。

 ところで、アップルの直営店であるApple Storeでは、スタッフの方々が「アップル製品を使ってできること」を紹介する15分ほどの講座を実施しています。これが結構面白いのです。

 アップルの製品は言うまでもなく、スマートフォンやタブレット端末、PC、スマートウォッチなどのデジタル機器ですから、使い方はインターネットで検索すればいくらでも見つかる分野です。ユーザーも、分からなければ調べることに慣れている人が一定数を占めていることでしょう。しかし、知りたい人は自分で調べればいいと突き放すのではなく、店頭で自社製品の使い方を紹介するという昔ながらのやり方も続けているのは興味深いですね。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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