ニュース
1.2μmの高解像度を達成、第6世代プレートサイズ対応のFPD露光装置:FAニュース
ニコンは、第6世代プレートサイズ対応のFPD露光装置「FX-6AS」を発表した。新開発の投影レンズで構成したマルチレンズシステムや、稼働時の振動、温度の影響を抑えるボディーの採用により、高効率な露光や高解像度で高精度なアライメントが可能だ。
ニコンは2021年10月26日、第6世代プレートサイズ対応のFPD露光装置「FX-6AS」を発表した。高精細化、高機能化が求められる中小型パネルの量産に寄与する。発売は同年11月上旬を予定している。
FX-6ASは、高機能モバイル機器に使用される高精細有機ELパネルや液晶パネルの製造に適した露光装置。新たに開発した投影レンズを複数用いて構成したマルチレンズシステムにより、広い領域を効率良く露光する。
回路パターンの露光において、バイナリーマスクの使用時は1.2μm(L/S:Line and Space)、位相シフトマスクの使用時は1.1μm(L/S)の高解像度を達成。光源波長は従来モデル同様、i線のため、既存の露光工程周辺の製造プロセスを変更せずに使用できる。
投影レンズが持つ収差を最小化し、稼働時の振動や温度などによる影響を抑制する新しいボディーを採用したことで、アライメントマークの計測精度が高まった。結果、±0.23μmと高精度なアライメントを可能にしている。
さらに、ステージの改良や照度アップにより、高い解像度はそのままに露光時間を短縮してタクトタイムを改善した。バイナリーマスク使用時は1時間あたりの生産力が85プレートと高スループットを誇る。プレートサイズは1500×1850mmに対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 最先端の半導体デバイス製造に対応するArF液浸スキャナーを開発中
ニコンは、開発を進めているArF液浸スキャナー「NSR-S636E」の発売を2023年に予定していると発表した。ロジック半導体やメモリー半導体、CMOSイメージセンサーなどの半導体デバイス製造に対応する。 - 高精細大型パネルの生産に適した、高タクトタイム高解像度のFPD露光装置
ニコンは、第10.5世代のプレートサイズに対応するFPD露光装置の新製品「FX-103S」「FX-103SH」を発売した。FX-103Sは、従来機「FX-101S」との比較で高タクトタイムを達成。FX-103SHは、高解像機能を備えている。 - 半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。 - ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。 - 72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
産総研コンソーシアム ファブシステム研究会などは「SEMICON Japan 2016」で、「ミニマルファブの開発成果を発表。同研究会などが推進するミニマル生産方式による製造装置「ミニマルシリーズ」72台を設置し、半導体製造工程のほとんどをカバーできるようになった成果をアピールした。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。