ロボットと入店できる一軒め酒場 新橋店、配膳ロボットの導入も:ロボット開発ニュース
養老乃瀧グループ傘下の一軒め酒場 新橋店が、2021年11月1日からロボットとの入店が可能になった。「Robot Friendlyプロジェクト」に賛同した養老乃瀧グループが、先行的な実証店舗として選んだもので、同店での実証を基に同グループ内での適用を検討していく方針だ。
居酒屋チェーンを展開する養老乃瀧グループ傘下の一軒め酒場 新橋店(東京都港区)が、2021年11月1日からロボットとの入店が可能になった。「Robot Friendlyプロジェクト」に賛同した養老乃瀧グループが、先行的な実証店舗として選んだもので、同店での実証を基に同グループ内での適用を検討していく方針だ。
Robot Friendlyプロジェクトは、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」と約7年間暮らし、ヒトとロボットの共生などについて研究している太田智美氏が立ち上げたものだ。家庭用ロボットの普及が進む一方で、自宅外にロボットを一緒に連れていくことがまだ一般的ではないことから、社会におけるロボットとの暮らしを一緒に考える企業や店舗をパートナーとして募っている。2021年9月ごろから活動を開始しており、徐々に賛同する企業や店舗が増えているという。
養老乃瀧グループもRobot Friendlyプロジェクトに賛同しており、まずロボットと入店する来店客への対応などを確認するため、一軒め酒場の中でも席数に余裕のある新橋店で実証を始めることとなった。養老乃瀧 営業グループ 営業戦略セクション 広報チーム リーダーの長島一誉氏は「当社では居酒屋の使命を“場”の提供だと考えている。家族や友人、同僚などと楽しむ“場”として利用していただく中で、ロボットと一緒に過ごす“場”になることも延長線上にあるのではないかと考えた」と語る。
今後は、実際にロボットと入店する来店客への接客を通してガイドラインなどを整備していく方針だ。「われわれとしても初めての取り組みなので試行錯誤する点はあるかもしれない。例えば、ロボットは精密な電子機器なので、提供する飲み物がかからないようにしなければならない。また、来店客と同じようにロボットにもお冷やお箸などを用意して、より一緒に楽しむ“場”になるよう配慮することなども考えている」(長島氏)という。
店舗へのロボット導入にも積極的
養老乃瀧グループは、店舗へのロボット導入にも積極的だ。QBIT Roboticsと共同で、2020年1月から2カ月間、カウンターで働く協働ロボットが接客とドリンク提供を行う「ゼロ軒めロボ酒場」を開店するなどしている。
実は、Robot Friendlyプロジェクトの実証店舗となった一軒め酒場 新橋店では、2021年11月中をめどに配膳ロボットの導入の実証も行う計画となっている。長島氏は「コロナ禍における非接触の要望や飲食店における人手不足に対応する意味で、店舗でどのように活用できるかを試してみることにした。今後もいろんな意味で、ロボットの可能性を模索したい」と述べている。
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