中国外食チェーンの厨房を省人化、自動配膳ロボットシステムを改良:ロボット開発ニュース
パナソニックは、中国の外食チェーン海底撈との合弁会社である北京瀛海知能自動化科技が、配膳ロボット「新おかず配膳システム」を開発したと発表した。従来のRFIDによる管理システムを踏襲しつつ、生産性を改善している。
パナソニックは2021年4月16日、中国を中心に火鍋チェーンを展開する海底撈との合弁会社である北京瀛海知能自動化科技が、外食産業のスマート化を促進する「新おかず配膳システム」を開発したと発表した。既に、海底撈上海陸家嘴金融城店へ納入している。
北京瀛海知能自動化科技は2018年10月に、海底撈スマートレストラン1号店に「おかず配膳システム」を納入している。これは、オーダー端末からの注文を基に、食材が盛り付けられたRFタグ付きのおかず皿を取り出し、配膳トレーに並べる作業をロボットで自動化したシステムだ。
新システムは、海底撈スマートレストラン1号店やその他店舗における2年間の実運用を踏まえ、RFIDによる管理システムを踏襲しつつ、生産性を改善している。配膳能力は1分間に22皿、補充能力は1時間に200皿だ。
RFIDリーダーを使って補充時や配膳時に全皿の賞味期限を確認することで、食の安心安全を提供する。生産計画および実績の一元管理やおかずのトレース管理も担う。
また、セントラルキッチンと店舗を往復する通い箱から、荷姿のまま直接おかず皿を取り出して配膳棚に補充する工程を自動化したことで、より高い食品安全管理レベルが期待できる。
店舗での実運用を踏まえ、システム構成も見直した。海底撈スマートレストラン1号店と比べ、ロボットの制御軸数を80%削減、設備面積を約30%削減し、システムの最適化を図っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- パナソニックが中国最大の火鍋チェーンの厨房を自動化も「まだ序章にすぎない」
パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、中国を中心に火鍋チェーンを展開する海底撈(ハイディーラオインターナショナル)が2018年10月28日にオープンする「北京自動化1号店」に、来店客が注文した火鍋の食材が載った皿をロボットが自動で取り出して並べる「自動おかず倉庫」を導入すると発表した。 - そばをLiDAR搭載ロボットが配膳、高輪ゲートウェイで無人デリバリーの実証実験
ZMPは2020年8月12〜16日にかけて、高輪ゲートウェイ駅前のイベントエリア「Takanawa Gateway Fest」で、同社のデリバリーロボット「DeliRo(デリロ)」による無人デリバリーサービスの実証実験を実施する。顧客は店員と非接触、非対面で、着席したまま食事の注文や受け取りが行える。 - そばの調理工程を協働ロボットが代替、JR東日本が東小金井駅で実証実験開始
コネクテッドロボティクスはJR東日本スタートアップと協力して協働ロボットでそばの調理工程を一部自動化する実証実験を開始した。実施場所は「そばいち nonowa 東小金井店」。 - 人手不足が深刻な飲食業を調理ロボットが救う、実店舗が幕張に開店
レストランやファストフード事業などを運営するセブン&アイ・フードシステムズは2019年10月16日、同月17日から開店する同社店舗にコネクテッドロボティクス製の調理ロボット2種を導入したと発表した。 - 協働ロボットでホットスナックの調理と提供を自動化、大手コンビニ3社も検討中
コネクテッドロボティクスは、「FOOMA JAPAN 2019(国際食品工業展)」において、コンビニエンスストアなどのホットスナックの注文から調理、来店客への提供までを自動化する「ホットスナックロボット」を披露した。 - ブロンコビリーはなぜロボットを導入したのか「より良いもの求めて常に試行錯誤」
ステーキレストランチェーンのブロンコビリーは、店舗内でのバッシング(食器の片付け)やサラダバーの補充といった業務の支援を目的にロボットを導入した。同社はなぜロボットを導入したのか、担当者に聞いた。