コロナ禍がサービスロボットの追い風に!?「関西ロボットワールド2021」レポート:ロボットイベントレポート(1/3 ページ)
サービスロボットや産業用ロボットの開発・導入を促進する専門技術展「関西ロボットワールド2021」がインテックス大阪で開催された。コロナ禍により出展社数も来場者数も従来に比べて少なかったものの、複数のブースで「コロナ禍が、サービスロボットの追い風になっている側面もある」という声があった。
2021年8月26、27日の2日間、サービスロボットや産業用ロボットの開発・導入を促進する専門技術展「関西ロボットワールド2021」がインテックス大阪で開催された。コロナ禍による緊急事態宣言下での開催で、出展社数も来場者数も従来に比べて少なかったが、そうした中でも、複数のブースで「コロナ禍が、サービスロボットの追い風になっている側面もある」という声があった。
ユニットの組み合わせで開発コストを抑えられるロボット
THKは、次世代サービスロボット向けプラットフォームロボット「SEED-R7シリーズ」を公開。「人手不足・感染症拡大などの社会的課題を自律走行可能なサービスロボットで解決・支援」をテーマに、ロボットのデモンストレーションを行っていた。
「SEED-R7シリーズ」は、全方向移動台車(SEED-Mover)、等身大上体ヒューマノイド(SEED-Noid)、昇降ユニット(SEED-Lifter)といったサービスロボット開発の種(SEED)で構成されている。ユーザーは求める用途によってユニットを組み合わせることで、コストを抑えたロボット開発が可能となる。
展示されていた検温ロボットは、社員証のQRコードを読み取り、頭部のサーモグラフィーカメラで体温を測定する。発熱者が発見された場合には、オペレーターが検温ロボットを遠隔操作して応対し、感染リスクを抑制する。
SEED-Moverは、自己位置を推定しながらの自律走行が可能。スタートとゴールの地点を設定すれば、人や障害物を検知しながら、減速や停止、回避、リルートを行い目的値に到着する。サスペンション機能が搭載されているため、点字ブロック程度の段差は超えられるという。
SEED-NoidやSEED-Lifterと組み合わせて、夜間巡回を行う警備会社や、病院の案内サービス、飲食業での配膳などの実証実験が進んでいるそうだ。
商業施設などの空間プロデュースを手掛ける吉忠マネキンのブースでは、ロボットメーカーと共同開発したサービスロボットを展示していた。
吉忠マネキンでは、メーカーが製造したロボットに、使用目的に応じたデザインの外装を提供している。人との親和性が高く、環境に馴染むデザインを施すことで、よりよいサービスロボットの提案を支援していくとしている。
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