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コロナ禍で進んだ「リモート工場」、何ができて何ができないのかいまさら聞けないスマートファクトリー(13)(4/4 ページ)

成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。第13回では、コロナ禍で注目度が高まった生産のリモート対応について解説していきます。

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工場のリモート化でできないこと

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逆にリモート化でできないことや難しいところはどういうところがありますか。


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そうね。さっきと逆のことを言っているけど、原因が特定できない課題解決をリモートだけでやるのは、難しいことも多くて、全てリモートで解決できるとは限らないわ。


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確かに、どこがどう関連して不具合が起きているのかが分からない場合もあったりしますし、最終的にすごく関係なさそうなところが関わっていたりしますし、いろいろ試してみないと分からないことは多いです。


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そうそう。そういう意味では、まずは不具合の起きそうな相関性がある項目を洗い出す必要があって、そこには現場担当者の知見が大きく関わってくるの。現場力がある意味で反映される領域だと思うわ。それでも、やっぱり現地に人が入った方が早く解決できることもまだまだ多く、時間がかかるという問題もあるわね。


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他にはありますか。


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製品の求める品質レベルが、公差など数値で示される項目だけでなく、人の感性にかかわるような効果を期待する場合は、リモートだけで解決するのは難しいわね。官能検査などが求められるところね。数値的には満たしていて、現場で「OKだ」と思っても、出てきた製品が水準に達していないという場合もあるし、その違いをリモートで示せるデータだけでは説明しきれないから。


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なるほど、確かにそういうことはありそうですね。よく分かりました。


リモートで重要な組織体制の整備

 最後に工場のリモート化を進める上で、重要な点を1つ付け加えたいと思います。

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こうした仕組みも重要だけど、前提として作業や動きの標準化や、これらを誤解なく伝えるような体制整備なども必要だわ。


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どういうことですか。


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工場のリモート化は言い換えると、知見のある専門家が現場で支援してくれてようやく構築していたものを現場に全て任せることと同じ意味よね。「現場支援でサポートできるから」とおざなりにしていた作業指示書などのドキュメント整備や研修なども合わせて行わないと現場の負荷が高くなりすぎるわ。こうした現場が迷いなく動けるような組織的な仕組みの整備も同時に行った方がいいわね。


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なるほど。よく分かりました。今の話で今回のタイの協力工場との間で、具体的にできることを検討してみることにします。


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頑張ってね。



 さて今回はコロナ禍で注目度が高まった生産のリモート対応についてできることとできないことを解説していきました。次回も、製造現場において失敗するパターンや見過ごされがちなポイントについてさらに掘り下げたいと考えています。

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