2020年度の国内スマート農場市場、ドローンの普及で推計262億円に拡大:スマートアグリ
矢野経済研究所は、国内におけるスマート農業市場の市場規模、参入企業の動向、将来展望を発表した。2020年度のスマート農業の国内市場規模は262億1100万円、2027年度は606億1900万円に達すると予測している。
矢野経済研究所は2021年10月7日、国内におけるスマート農業市場の市場規模、参入企業の動向、将来展望を発表した。2020年度のスマート農業の国内市場規模は262億1100万円、2027年度は606億1900万円に達すると予測している。
国内のスマート農業市場は、2020年度が前年度比145.6%の262億1100万円、2021年度が同110.9%の290億7600万円を見込む。
その背景として、2020年度は新型コロナウイルス関連の補助金が追い風となり、農業用ドローンや農機の自動操舵装置をはじめ、圃場の水管理や畜産業向け生産支援などの栽培支援ソリューション、GPSガイダンスシステムの普及が拡大したためと分析する。2021年度も、生産性向上や人手不足解消を促進するため、市場の成長が期待できる。
2022年度以降は、ドローンや衛星画像によるリモートセンシングデータを利用した可変施肥システムが本格的に普及すると予測している。圃場全体を「見える化」することで生育のばらつきを把握し、位置情報と生育情報を基にピンポイントで肥料を散布して、生育の均一化と肥料や労力の削減につなげられる。
既に運用を開始した「農業データ連携基盤(WAGRI)」や「農業API共通化コンソーシアム」により、今後さらにデータの共有と連携が進むという。同時に、5Gやローカル5Gといった通信技術の発展により、ロボット農機やリモートセンシングなどの普及が拡大すると分析している。
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