ヤマハ発動機のスマート農業基盤「YSAP」、ドローンや無人ヘリコプター活用に特化:スマートアグリ(1/2 ページ)
ヤマハ発動機と国際航業、トプコン、ウォーターセルの4社は、農業用ドローンや無人ヘリコプターによる農薬散布、施肥の作業や運航のデータを管理するヤマハ発動機のソフトウェアサービス「YSAP」の提供に向けて協業を開始すると発表した。
ヤマハ発動機と国際航業、トプコン、ウォーターセルの4社は2019年3月8日、東京都内で会見を開き、農業用ドローンや無人ヘリコプターによる農薬散布、施肥の作業や運航のデータを管理するヤマハ発動機のソフトウェアサービス「Yamaha Motor Smart Agriculture Platform(YSAP)」の提供に向けて協業を開始すると発表した。2019年度は大規模な実証実験を進め、2020年度から本格的な事業を始める計画。
二輪車やマリンなどを主力事業とするヤマハ発動機だが、農薬散布などに用いる無人ヘリコプターで高い国内シェアを有している。2019年4月からは、無人ヘリコプターとともに新開発のドローン「YMR-08」を投入し事業展開を拡大する方針だ。さらに同社は、2030年に向けた中期経営計画における3つの注力領域の1つとして「ロボティクス活用」を掲げ、農業向けの展開ではドローンや無人ヘリコプターを活用する方針を示しており、今回発表したYSAPはその基盤となるものだ。
同社 ソリューション事業本部 UMS統括部 統括部長の中村克氏は「就業人口や販売農家数が減少を続ける国内農業にとって、効率化や省力化は必須だ。そこで当社は、次世代の農業経営に貢献すべく、さまざまな用途で活用が進むドローンや無人ヘリコプターの活用に特化したプラットフォームとしてYSAPを提供することとした」と語る。
YSAPは、「新しい農業スタイルを空から創る。もう一歩先の散布サービス展開」をコンセプトに、防除や追肥作業計画の管理、作業履歴や作業中の機体の飛行位置情報などを、PCやタブレット端末、スマートフォンなどを使って簡単に管理できるサービスだ。ヤマハ発動機傘下で無人ヘリコプターの事業を各地域で展開する子会社グループのスカイテックの1つが開発したサービスをベースに、2018年度に小規模な実証実験を行って開発した。
YMR-08や無人ヘリコプターなどとともに使用することで、高効率かつ高精度な防除、追肥作業や散布作業のデータを管理し、散布作業の価値や効率を高めることを狙いとしている。
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