魅力度と品質の両立が強みに、J.D.パワーの商品魅力度調査はレクサスが1位:車両デザイン
J.D.パワージャパンは2021年10月13日、2021年の「日本自動車商品魅力度調査」の結果を発表した。商品の魅力に対する高い満足度はブランドへのロイヤリティー(忠誠心)の強化に有効であることが示された。
J.D.パワージャパンは2021年10月13日、2021年の「日本自動車商品魅力度調査」の結果を発表した。商品の魅力に対する高い満足度はブランドへのロイヤリティー(忠誠心)の強化に有効であることが示された。すでに結果を公表した2021年の「初期品質調査」で高評価を得たモデルが、商品魅力度でも高得点を獲得するなど、品質と魅力の両面で高い評価を受けるケースもあるという。
自動車商品魅力度調査は、新車購入から2〜13カ月が経過した日本のユーザーを対象に購入した車両についての10カテゴリー37項目の評価結果をまとめたものだ。10カテゴリーは「外観」「車両設定/始動」「乗降性」「内装」「パワートレイン」「ドライビングフィール」「安全性」「インフォテインメント」「快適性」「燃費/航続距離」となっており、合計で1000点満点となる。
2021年の調査では、商品魅力度の平均は657ポイントで、対象の14ブランドのうち10ブランドが業界平均を上回っており、最も高評価だったのはレクサスの745ポイントだった。レクサスは初期品質調査でもブランドとして1位を獲得している。「マスマーケットブランド」の中ではミニ(MINI)がトップだった。14ブランドのうち、レクサスに続いて高評価だったブランドは、メルセデス・ベンツ、BMW、MINI、スバル(SUBARU)、アウディ、マツダ、フォルクスワーゲン、日産自動車、トヨタ自動車という順だ。ホンダ、三菱自動車、ダイハツ工業、スズキは業界平均を下回った。
車両セグメント別にみると、軽スーパーハイトワゴン部門ではダイハツ「ムーブ キャンバス」、コンパクトSUV部門では日産「キックス」、コンパクトミニバン部門はスズキ「ソリオ」が商品魅力度で1位を獲得。これらのモデルは初期品質調査でもセグメント1位となった。
パワートレイン別にガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)に分けて評価を集計したところ、パワートレインのカテゴリーで最も評価点数が高かったのはEVユーザーだった。動力性能や静粛性が評価された。次点はPHEVだ。ただ、EVユーザーは燃費/航続距離のカテゴリーが低評価だった。一方でPHEVユーザーは5つのパワートレインの中で最も評価が高い。
回答の結果、商品魅力度が800ポイント以上となった高評価ユーザーは全体の17%で、500ポイント未満の低評価のユーザーも17%となった。高評価ユーザーは「次回同じブランドのクルマを必ず買う」と答えた回答者が39%に上ったが、低評価ユーザーは6%にとどまった。高評価ユーザーは全てのカテゴリーで高い評価をつける傾向にあった。また、高評価ユーザーと低評価ユーザーでは、パワートレインやドライビングフィールの評価点数に大きく差がついたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 実車で走って分かった全固体電池の課題は「寿命の短さ」、EVよりもHEV向き?
トヨタ自動車は2021年9月7日、オンラインで説明会を開き、電動車の普及に向けた投資などの戦略を発表した。 - トヨタも採用する「バイポーラ型電池」、出力を向上できる仕組みとは
今回は、「バイポーラ型電池」とは何か、これまでの電池と何が違うのかといった点を解説していきたいと思います。 - マツダのラージ商品群は2022年から投入、多様な電動パワートレインを一斉に展開
マツダは2021年10月7日、2022年以降のクロスオーバーSUVの商品計画を発表した。2022年から2023年にかけて新型車5車種を各国で投入する。 - ダイハツがシリーズハイブリッド、コンパクトカーの電動化で選択肢広がる
電動化の話題に事欠かない自動車業界ですが、電動車の情報を扱うelectrekによるとここ最近、英国でEV(電気自動車)の中古車を調べる人が増加しているようです。原因はガソリン不足にあります。 - 1.6リッターターボと4WDで白熱したWRCは、PHEVと合成バイオ燃料で新時代へ
最高速度は時速200kmを超え、ドリフトしながらコーナーを駆け抜ける。コースによってはジャンピングスポットも存在し、レーシングカーが空を舞う姿は圧巻だ。大自然の中も疾走するのがWRCの醍醐味(だいごみ)であるだけに、来シーズンからはプラグインハイブリッドシステムを採用するなど環境技術の導入も推し進めている。自動車の環境調和と持続可能性を追求する、「WRC新時代」がやってくる。 - 電動車100%へ330億円を投資した日産・栃木工場、開発中の燃料電池は定置用で活躍
日産自動車は2021年10月8日、330億円を投資して栃木工場(栃木県上三川町)に導入した次世代の自動車生産の取り組み「ニッサンインテリジェントファクトリー」を公開した。日産自動車 執行役副社長の坂本秀行氏は「複雑かつ高度なクルマをつくるための、変動に強い生産現場と生産技術は明日の日産の飛躍の要になる」と生産領域に投資する重要性を語る。 - ホンダが新車のインターネット販売、オンラインで済ませたい「4.3%」を取り込む
ホンダは2021年10月4日、新車を取り扱うオンラインストア「Honda ON」を開設したと発表した。来店せず、オンラインと郵送で新車購入の契約まで完了できる。 - 日本の自動車産業がとるべき戦略は「返し技」にあり
最近、EV(電気自動車)に関する記事が急激に増加している。特に掲載されている記事は、欧米中で起きている環境規制強化や、それに伴う自動車メーカーや電池メーカーの動きといった情報が多い。日本の自動車産業は大口市場である欧米中の動向を無視してはビジネスが成り立たない。では今度どうすべきであろうか。欧州を中心とした規制強化の現状や、それに対応する日本の自動車産業の再生戦略について、筆者の考えを紹介したい。