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映像分析技術で作業員動作を自動検出し、数値化するソリューションを発売:製造ITニュース
NECは、同社の映像分析技術により作業員の動作を自動検出し、稼働率などを数値化する「工場付加価値時間計測ソリューション」の販売を開始した。工程間の関連性やボトルネックになっている工程を分析でき、製造ラインの最適化を図れる。
NECは2021年9月30日、同社の映像分析技術により作業員の動作を自動検出し、稼働率などを数値化する「工場付加価値時間計測ソリューション」の販売を開始した。
同ソリューションでは映像分析技術を活用することで、工場内に設置したカメラ映像から作業員の手や体の動きを自動検出する。検出した時間を組み立てや検査工程の付加価値時間と換算して計測する。
計測データから稼働率を数値化したり、作業エリアごとの状況をグラフなどを用いて可視化する。工程間の関連性やボトルネックになっている工程を分析できるため、製造ラインの人員配置、作業員の育成などから、製造ラインの最適化を図ることができる。
一般的に映像分析には、高度な画像処理に対応するGPU搭載機器が必要とされる。同ソリューションは、手や人に特化した映像分析用の学習モデルを採用することで、分析処理の負荷を軽減した。これにより、汎用的なCPUを搭載した機器でも分析可能になった。また、システム構築や設置場所による詳細設定なども不要で、安価かつ短期間で導入できるのも特徴だ。
希望小売価格は1年間のライセンス契約で70万円(税別)。同社では、3年間にグローバルで1000ライセンスの販売を目指す。
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