プレゼン資料の中に3Dモデルを取り込み“カタチ”を正しく伝える:技術者のための資料作成とプレゼン講座(4)(4/4 ページ)
どんなに素晴らしい内容の発表でも、それが読み手や聞き手にうまく伝わらなければ意味がない。本連載では、技術者の皆さんを対象に、相手に伝わる発表内容の構成や資料の表現方法などについて伝授する。第4回は、プレゼン資料の中で部品や製品の形状情報をどのように表現するかをテーマに解説する。
3Dモデルをプレゼンの中で動かす
せっかくの3Dモデルなので、PowerPointのスライドショーでも3Dらしく表示させたいですよね。
「自由に任意に回転」というわけにはいきませんが、PowerPointでは3Dモデルのアニメーションを設定することによって回転させることができます。
[アニメーション]タブで挿入した3Dモデルを選択すると、[ターンテーブル]や[スイング]などのアニメーションが選択できます。もちろん、他のアニメーションと組み合わせることもできます。
「3Dモデル.pptx」には、既にアニメーションを設定していますので、[スライドショー]を実行してみてください。ブラケットの形状が分かるように、影を落としながら3Dモデルがゆっくりと回転します。もちろん、回転のスピードや光線の方向などを調節できます。
アニメーション付きの3Dモデル、テクスチャーのある3Dモデルもサポートしています。[挿入]タブの[3Dモデル]→[3Dモデルのストック...]に、Officeによってストックされた3Dモデルがありますので、そちらも参照してみてください。
コラム:
コロナ禍のせいで、対面で行うプレゼンの機会がすっかり減ってしまいました。対面のプレゼンって、オンラインと比べて本当にいいですよね。熱量が伝わる感じがします。
ところで皆さんは、対面でのプレゼンのとき、プレゼン画面を指し示すのに何をお使いですか? PowerPointのスライドショーに備わっている「レーザーポインター」を使う人もいます。これは画面の上に赤い丸が表示され、それをレーザーポインターに見立てるものです。これはこれでアリですが、PCの前から離れられなくなってしまいます。今はホンモノのレーザーポインターを使う人が多いことでしょう。プレゼンスライドのページをめくる機能があるレーザーポインターもあります。PCの前から離れて身振り手振りでプレゼンを進めることができるので、重宝しますよね。
筆者はもっぱら「指示棒」ユーザーです。大/中/小の指示棒を持っています。伸びたり縮んだりするアンテナのようなアレです。筆者のプレゼンの中で指示棒はいろいろなものに変身します。プレゼンスライドのポイントを指し示すことはもちろん、片持ち梁になったり、曲げを表現したり、振動を現したり……。昔の設計者が、船体や飛行機の翼を1本の梁に置き換えて設計を検討したことを思いながら指示棒を使っています。
(次回へ続く)
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