低照明でも高品質のHD車載カメラシステムを可能にするレファレンスデザイン:車載ソフトウェア
ルネサス エレクトロニクスとOmniVision Technologiesは、HD車載カメラシステムの統合レファレンスデザインの提供を開始する。AHL ICとISP搭載CMOSイメージセンサーSoCにより、低コストで高品質の映像を伝送する。
ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)とOmniVision Technologies(OmniVision)は2021年9月14日、高解像度(HD)車載カメラシステムの統合レファレンスデザインの提供を開始した。車載用HDリンク(AHL)ICとイメージシグナルプロセッサ(ISP)搭載CMOSイメージセンサーSoCを組み合わせることで、低照明でも高品質の映像伝送を可能にし、小型、低消費電力、低コストの車載カメラシステムを構築できる。
ルネサスのAHLエンコーダー「RAA279971」とデコーダー「RAA279972」は、変調アナログ信号を利用して映像を伝送する。HD信号の伝送に必要なレートはデジタル伝送の10分の1で、既存のアナログビデオケーブルのツイストペアケーブルや標準的なワイヤハーネスコネクターなど、安価なケーブルとコネクターを利用できる。
OmniVisionのSoC「OX01F10」は、独自の低ノイズ技術「PureCel Plus」を採用したCMOSセンサーとISPを統合している。ピクセルサイズは3.0μm、画素数は130万で、最大120dBのハイダイナミックレンジ(HDR)機能を備える。PCB設計により信頼性を高め、システムの小型化、低消費電力化、低コスト化を可能にする。
いずれもAEC-Q100に準拠し、後方カメラ、サラウンドビューなどの駐車支援カメラシステムでの利用を見込む。
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