サブスクとプロダクト販売の一括管理を実現、Zuoraの新ソリューション:サービタイゼーション(2/2 ページ)
Zuoraは2021年9月29日、サブスクリプションサービスを主体とした収益化を支援する、3つのソリューションとサービスの国内展開を開始すると発表した。
機械学習で未払い請求の回収を成功に導く
Zuora Collectはサブスクリプションサービスにおける未回収の請求を把握し、最適なタイミングでの再請求を行う管理アプリケーションである。
サブスクリプションサービスにおける未払い請求の問題について、Zuora チーフプロダクト&エンジニアオフィサー Sri Srinivasan氏は「未払い請求によって、企業は平均で3%の収益を失っているというデータもある。仮に年間10億ドルの収益があるとすれば、3000万ドルが未回収のままになっているということだ。また未払いによって、顧客自身が意図しない形でサブスクリプションサービスを解約させられてしまう可能性もある。こうしたパッシブチャーン(解約)は解約件数全体の20〜40%程度を占めているとされる」と説明する。
Zuora Collectは取引データを多角的な視点で分析し、収益回収成功に導く機械学習モデルを搭載している。これを活用することで企業は、決済業務を簡素化しつつ経常収益を最大化するとともに、顧客自身も意図しない解約を減らすことができる。導入効果についてSrinivasan氏は「未払い請求においても最大約20%のキャッシュ回収が見込める上、解約リスクの最小化によってネットリテンション(売り上げ継続)を最大約13%向上させることができる」と語った。
Zuora Collectは現在、35個以上のペイメントゲートウェイと、20種類以上の決済方法に対応している。
収益認識プロセスを自動化
Zuora Revenueはサブスクリプションサービスの収益認識プロセスを自動化するソリューションである。
サブスクリプションサービスは顧客が自身のニーズに応じて、柔軟に購買プランを変更、契約締結できるというメリットがある。ただ、契約の追加や更新、休止、再開などの契約変更に応じて、その都度、収益認識額の再評価や再計算を行わなければならない。このため、表計算ソフトウェアや手作業で収益計算を行っている企業の場合、人為的なミスが発生しやすくなり、またビジネス全体における適切な収益予測も難しくなる。
Zuora Revenueの活用によって企業は、サブスクリプションサービスに関して収益認識の自動化を継続的に実現し、顧客の購買プラン変更に伴う複雑な契約作業を容易に管理できるようになる。会計担当者の作業負担を減らすことで、会計や請求ミスのリスクを低減し、決算プロセスを短縮できる。
なお、Zuora Revenueの国内向けリリースは2022年初旬を予定している。
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