インフラ設備やシステムを遠隔で管理、監視するIoTコントローラーを開発:FAニュース
明電舎は、インフラ設備やシステムを遠隔から管理、監視できるIoTコントローラーを開発した。インフラ設備のセンシングデータの収集や解析制御などに対応し、リモート予兆診断などでインフラ設備管理の省力化を支援する。
明電舎は2021年9月7日、インフラ設備やシステムを遠隔から管理、監視できるIoT(モノのインターネット)コントローラーを開発したと発表した。各種制御機器においてハードウェアとソフトウェアが使用可能で、同社が今後開発する製品の新たなコアとなるデバイスだ。
新開発のIoTコントローラーはエッジコンピュータとして機能し、受変電設備などのセンシングデータの収集や解析制御などに対応する。インフラ設備やシステムを遠隔から管理、監視できるようになり、インフラ設備管理の省力化を支援する。
同社は既に、IoTコントローラーを適用した製品として、インフラ設備のリモート診断に対応した受変電監視システムの提供を開始している。同システムでは、IoTコントローラーにインフラ設備の稼働状況や各種センサーのデータを収集、蓄積、監視、配信する機能を実装した保全端末を使用。受変電設備、自家用発電機、無停電電源装置(UPS)、分電盤などから収集したデータは、保全端末からデータセンターに集められ、インフラ設備の予兆診断などに活用する。
データセンターのデータは、インターネット網を介して場所や時間の制限なくスマートフォン、PCなどから確認できる。異常の際は、即座に作業員へ警報通知を送信するなど、迅速にサポートする。
電気設備だけでなく、各インフラ設備向けに必要な機能を実装しており、IoTコントローラーをクラウドシステムやその他周辺製品と組み合わせることで、さまざまな分野に適用できる。同社は今後、収集データを活用し、端末で解析や分析、AI(人工知能)による推論、演算に対応するなど、維持管理の効率化を図るエッジ端末としての展開も進めるとしている。
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