バイクを買った理由、コロナ禍での利用頻度は? アジア7カ国で2400人に調査:モビリティサービス
矢野経済研究所は2021年9月13日、アジア7カ国(日本、インド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン)の二輪車ユーザーの動向調査を発表した。二輪車を保有する2383人(18〜69歳)を対象にアンケートを実施し、購入動機やコロナ禍での移動手段の変化などを尋ねた。
矢野経済研究所は2021年9月13日、アジア7カ国(日本、インド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン)の二輪車ユーザーの動向調査を発表した。二輪車を保有する2383人(18〜69歳)を対象にアンケートを実施し、購入動機やコロナ禍での移動手段の変化などを尋ねた。
現在保有している二輪車の購入理由で当てはまるものを尋ねたところ、「身軽に動けるから」という回答が最も多かったのは日本(24.1%)、タイ(40.0%)、フィリピン(27.1%)、中国(32.8%)だった。日本では「維持費が安く済む」という回答が次いで多かった(19.5%)。一方、公共交通が脆弱(ぜいじゃく)で四輪車の普及率が低いインドネシアやベトナムでは「仕事で必要だから」という回答がトップとなった(インドネシアで35.3%、ベトナムで40.4%)。インドとタイでは、「車体価格が手ごろだから」という回答が最も多い(インドで23.6%、タイで26.8%)。
地域によって回答が分かれたのは「二輪車に乗ることが楽しそうだから」「趣味として楽しめるから」という項目だ。日本や中国、インドネシア、インドでは1割前後が「二輪車に乗ることが楽しそう」と答えたが、ベトナム、タイ、フィリピンでは2〜5%台で少数派となった。また、日本、インド、中国では「趣味として楽しめる」という回答も1〜2割見られたが、ベトナム、タイ、フィリピンは数%だった。インドネシアは「二輪車に乗ることが楽しそう」という回答が10.1%だった一方で、「趣味として楽しめる」は2.8%にとどまった。
コロナ禍で利用頻度が増えた移動手段について尋ねると、日本以外の6カ国で「オートバイ」がトップとなった。「カーシェア、レンタカー」「公共交通」の利用が伸びなかった分をオートバイが吸収したという。日本では「利用が増えた移動手段はない」(45.7%)が最多だった。インドネシアではオートバイに次いで「自転車」が多い(57.7%)。オートバイ以外では、インドと中国、フィリピンでは「徒歩」「自家用車(四輪)」の利用頻度が高まった。タイでは、徒歩は自家用車(四輪)ほど伸びなかった。
二輪車の需要をけん引する地域はインドや中国、ASEANなどアジア市場だ。二輪車のグローバル保有台数は2019年時点で6.1億台だが、このうち87.1%の5.3億台がアジア市場で占められている。今後、パキスタンやバングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマーといったアジアの新興国も二輪車の市場拡大に寄与する。
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