「改善」をサービスとして提供、iSTCが現場見える化を経営に生かす2つの新製品:製造ITニュース(2/2 ページ)
i Smart Technologies(iSTC)は2021年9月10日、同社の5周年イベント「iSTC Evolution2021」において、同社の現場見える化ツール「iXacs」で得られる現場データをより幅広く活用し製造業経営に生かすため「IoT経営ダッシュボード」と「KaaS(Kaizen as a Service)」という2つのサービスを開始すると発表した。
旭鉄工の改善ノウハウをサービスとして提供
さらに、これらから踏み込み、旭鉄工の改善のノウハウを組み合わせてサービスとして提供するのが「KaaS」となる。「『iXacs』を展開する中で、現場データを集められるようになっても、うまく生かせずに苦しむ製造業も多く見てきた。そこで、旭鉄工で積み上げたノウハウも一緒にサービスとして提供することで、これらを乗り越えられるのではないかと考えた」と木村氏は語る。
具体的には「KaaS」には3つのステップがある。1つ目は、「iXacs」による見える化だ。まずは、現場データの収集を行い見えなかった問題を見えるようにする。2つ目は旭鉄工による「IoT伴走支援」である。これは「iXacs」によるデータを基に、iSTCがこれを見て分析しレポートを作成し、解説を行うというものだ。旭鉄工での知見により、問題点や解決の方向性などを示す。3つ目のステップが「IoTデータ活用改善塾」である。2つ目のステップまでのデータを基にした改善の仕組みを一過性のものにするではなく、企業体質として定着させられるように、仕組みや体制などの提案や指導を行う。
これらの2つの新たなサービスは、製造業での展開を中心に進めていくが、他業界への展開も視野に入れているという。「モノづくりのノウハウがない企業でも問題点を把握できるようになるため、投資ファンドや金融機関、コンサルティングファームなどが、製造業クライアントのバリューアップのために活用することもできると考えている」と木村氏は展望を語る。
木村氏は「旭鉄工で取り組んだことは『人には付加価値の高い仕事を』ということを目指し、ルールを変えてデジタルツール活用を推進したことだ。これにより認知や判断、実行のスピードアップを進めるとともに従業員の知恵を引き出せた。IoTの活用は学力向上と同じだ。学力についても授業や教材などいろいろなツールはあるが、自分自身で勉強することが何よりも必要だ。生産性向上についても改善の実行が何よりも大事で、そのためのツールがIoTである。ツールを選ぶのに長い時間をかけるよりは、すぐに選んで改善に時間をかけることが必要だ」と訴えた。
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