アイリスオーヤマがIoTサービス事業の展開を拡大、独自無線「LiCONEX」を基軸に:製造業IoT
アイリスオーヤマは、無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」を活用したIoTサービスの開発を提携企業と共同で行う「LiCONEXパートナー制度」を開始したと発表した。
アイリスオーヤマは2021年7月26日、無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」を活用したIoT(モノのインターネット)サービスの開発を提携企業と共同で行う「LiCONEXパートナー制度」を開始したと発表した。
LiCONEXは、同社が2017年に照明制御事業に本格参入する際に開発した独自の通信プロトコル「メッシュリンクプロトコル」を用いる無線制御システムだ。メッシュリンクプロトコルは、Wi-FiやBluetoothと同じ2.4GHz帯を利用しているものの、空いている周波数チャネルを自動で検索する「適応型チャネルホッピング」で耐障害性を強化しており、安定した高速通信を実現できるという。また、専用のベースモジュールを用いれば最大2000台のLiCONEX搭載照明器具を制御することも可能だ。
2020年6月には機能を強化した「LiCONEX 3.0」を発表しており、1台のベースモジュールで制御可能なLiCONEX機器の台数が4000台に倍増するとともに、通信距離が最大500mまでのロングレンジ通信も可能になった。
今回発表したLiCONEXパートナー制度は、LiCONEXが提供する双方向通信や複数デバイスとの連携機能と、パートナー企業が提供するセンシング技術やIoT技術を融合することでさまざまなIoTソリューション/サービスの開発と提供を目指すものだ。例えば、温湿度測定サービス、HACCP対応の冷蔵冷凍ケース温度測定サービス、人数カウントサービス、位置情報サービスなどを想定している。
また、LiCONEXパートナー制度を発表した翌日の2021年7月27日には、アイリスオーヤマのLiCONEXと、レッドフォックスが提供するフィールドワーカーの業務効率化アプリ「cyzen(サイゼン)」を組み合わせた新サービス「LiCONEX働き方改革支援」の提供開始を発表している。
LiCONEX働き方改革支援により、従業員の出社率の計測や、勤務時間中のオフィスフロア内での動きを位置情報で自動記録することに加え、チャットや内線電話でのコミュニケーションも可能になる。また、可視化された従業員の勤務状況のデータは、就労管理やオフィスフロア内の導線改善やコミュニーションのスピードアップに活用できる他、三密エリアの発見など新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策にも適用できるとしている。
LiCONEX働き方改革支援の価格(税別)は初期費用が20万円から、月額5万円から。オフィスや工場、商業施設などへの導入を想定しており、2022年12月までに導入社数100社を目指すという。
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