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細胞培養管理事業を外部化した、独立系スタートアップ企業が営業開始:医療機器ニュース
東芝初の独立型スタートアップ企業「サイトロニクス」が営業を開始する。東芝の細胞培養管理事業を外部化して設立しており、迅速な意思決定で、細胞培養管理プラットフォームの社会実装を加速する。
東芝は2021年6月30日、同社初となる独立型スタートアップ企業「サイトロニクス(Cytoronix)」が、同年7月1日より営業を開始すると発表した。
サイトロニクスは、東芝が開発した細胞培養管理プラットフォームの社会実装を加速するため、東芝の細胞培養管理事業を外部化して設立した。これまで同プラットフォームの研究開発や事業化推進に携わってきた東芝の2人の社員が、新会社の代表取締役に就任した。
なお、サイトロニクスには、東芝と独立系ベンチャーキャピタルのBeyond Next Venturesが出資しているが、サイトロニクスの独立性を保証するために、議決権の過半は経営株主である代表取締役が有している。
開発した細胞培養プラットフォームは、培養結果のばらつきを抑えつつ、細胞を安定して培養できる小型モニタリング装置をクラウドで効果的に運用するシステムだ。今後、サイトロニクスは、測定データを分析するアルゴリズムの改善、強化を図り、顧客の研究段階に応じた装置の開発やサブスクリプションモデルの提供を目指す。
再生医療をさらに普及、拡大する上で、細胞培養管理事業は必要不可欠な事業といえる。東芝は、細胞培養管理事業を外部化することで、意思決定がスムーズになり、研究成果の迅速な社会実装や新しい価値の提供が可能になると見込んでいる。
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