製造業向けIoTパッケージをプラスチックサプライヤーの現地法人が導入:製造IT導入事例
ビジネスエンジニアリングの製造業向けIoTパッケージ「mcframe SIGNAL CHAIN」を、天馬のインドネシア現地法人が導入した。稼働モニタリングと設備メンテナンスの2つの機能により、全設備の稼働状況を効率的に把握可能になった。
ビジネスエンジニアリングは2021年6月16日、同社の製造業向けIoT(モノのインターネット)パッケージ「mcframe SIGNAL CHAIN」を、プラスチックのグローバルサプライヤーである天馬のインドネシア現地法人チカラン工場が導入したと発表した。
チカラン工場では、約80台ある設備稼働の状況把握、人の記録では分かりにくい設備異常の情報把握、設備や金型の保全管理の効率化といった課題を抱えていた。そうした状況を解決するため、2020年4月にmcframe SIGNAL CHAINの導入を開始。2021年4月に全ての導入を完了し、安定稼働に入った。
mcframe SIGNAL CHAINは、製造現場の問題把握と改善を支援するため、稼働モニタリングと設備メンテナンスの2つの機能モジュールを備えている。設備稼働データや保全データを効率的に収集可能で、設備の生産性と信頼性の向上につながる。
同パッケージの導入によりチカラン工場では、パトライト製の信号灯から収集した設備の稼働データを稼働モニタリング機能につなげることで、現場の状況をリアルタイムに把握可能になった。全設備の稼働状況が可視化されたことで、異常停止理由を登録して改善、分析できるという。
また、設備メンテナンス機能により、点検や修理の管理がシステム化され、保全の進捗状況の把握が容易になった。保全や修理記録が自動的に集計されるため、対象設備の保全履歴なども一元管理できる。
今後は、製造指図番号とひも付けた稼働状況管理や、サービスパーツの在庫管理などにも活用していく予定だ。
関連記事
- 塗装ラインの情報を一括管理、川口スプリングとB-EN-Gが共創で
川口スプリング製作所とビジネスエンジニアリングは2021年5月26日、塗装ラインの情報を一括管理する「KS-MICS」を同年6月1日に発売すると発表した。「KS-MICS」のベースにはB-EN-GのIoT基盤「mcframe SIGNAL CHAIN」が採用されており、両社による協業で実現した。 - アジア太平洋地域で製造業向けVRソリューションを展開へ、B-EN-GとHTCが協業
ビジネスエンジニアリングとHTC NIPPONは2020年2月7日、VR(仮想現実)分野で協業することを発表した。B-EN-Gが展開するVR学習システム「mcframe MOTION VR-learing」の対応ハードウェアとして、HTCの業務用VRヘッドマウントディスプレイ「VIVE Pro Eye」を認定し、アジア太平洋地域において共同販売などに取り組む。 - さまざまな製造IoTデータを容易に連携、CIOFが2022年に商用化へ
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加するIndustrial Value Chain Initiative(IVI)は2021年3月11〜12日、オンラインで「IVI公開シンポジウム2021-Spring-」を開催した。今回はその中から、IVIが取り組む異種環境間でのデータ連携を実現する「企業間オープン連携フレームワーク」への取り組みについて紹介する。 - 工場稼働の遠隔監視を実現する簡単IoT、IoT基盤機能追加でデータ活用機能強化
東洋ビジネスエンジニアリングは、工場の「稼働モニタリング」と「設備メンテナンス」を実現する「mcframeSIGNAL CHAIN」の新機能として、製造および設備データの収集、整理・集計、管理・連携、表示を担う「IoTプラットフォーム機能」を追加する。 - 日本の製造業はIoT活用で強い現場を生かせるか、危うい「一人インダストリー4.0」
「インダストリー4.0は生産現場だけの話ではない。設計から生産に至るまで連携を図っていく必要がある――」。東洋ビジネスエンジニアリングの年次イベント「mcframe Day 2017」のオープニングトークライブでは、製造業のIoT活用において、生産現場に活動が偏りがちな日本の現状を指摘する声が相次いだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.