NVIDIAのスパコンは4EFlopsで「地球最速」、6000個超の「A100」搭載:製造ITニュース
NVIDIAは2021年5月27日(米国現地時間)、同社の「A100 Tensor Core GPU」を6159個搭載したスーパーコンピュータ「Perlmutter」が、米国エネルギー省が管轄する国立エネルギー科学計算センター(NERSC)で除幕式を行ったと発表した。「地球上で最速」(NVIDIA)の処理速度を達成したとする。
同社の「A100 Tensor Core GPU」を6159個搭載したスーパーコンピュータ「Perlmutter(パールマッター)」が、米国エネルギー省管轄の国立エネルギー科学計算センター(NERSC)において稼働を開始したと発表した。AI(人工知能)処理に用いる16ビットと32ビットの混成精度コンピューティングにおいて「地球上で最速」(NVIDIA)の処理速度を達成したとする。
4EFlopsの速度を達成
NVIDIAの発表によると、Perlmutterは「7000人の科学者に約4EFlops(エクサフロップス)のAI性能を提供」することが可能だという。2021年内に米国のローレンス・バークレー国立研究所への設置も予定しているが、その際にはより性能が向上した「フェーズ 2」の状態で導入されることも示唆している。
Perlmutterの名前は2011年にノーベル物理学賞を受賞した天文物理学者ソール・パールマッター氏に由来する。NVIDIAはPerlmutterの用途として、グリーンエネルギーの創出を目的とした素粒子や原子の相互作用研究や宇宙の3D地図作成への貢献などを挙げている。
素粒子や原子の相互作用研究を従来のスーパーコンピュータで行う場合、原子数個のシミュレーションを数ナノ秒間生成するための計算処理を行うのがやっとだったという。しかし、PerlmutterはA100 Tensor Core GPUによって、シミュレーションに必要な倍精度浮動小数点演算と、深層学習に必要な混合精度演算の高速化を可能にしており、「極めて正確なシミュレーションと機械学習を組み合わせることで、より多くの原子を、より長い時間にわたって研究できるようになった」(NVIDIA)という。
宇宙の3D地図作成では、1回の露光で5000個もの銀河系を撮影できる暗黒エネルギー分光計器(DESI)を用いるが、Perlmutterはこの作業も高速化できる。一晩で何十回もの露光を行うとともに、翌晩にDESIを向けるべき方向などを算出する。
また従来は1年間分の計測データを発表するための準備に数カ月から数週間かかっていたが、Perlmutterを使用すれば数日で完了するという。
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