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ラズパイでAGVを制御する(その1)ラズパイで製造業のお手軽IoT活用(8)(2/2 ページ)

小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使って、低コストかつ現場レベルでIoT(モノのインターネット)を活用する手法について解説する本連載。第8回では、工場などで用いられるAGVの制御にラズパイを活用する目的について解説する。

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AGVが求められる無人化ラインのメリットとデメリット

 最近は自動化を追求した無人化ラインの構築が先進工場を中心に進んでおり、AGVはこれらの無人化ラインに必要不可欠な要素となっています。ただし、無人化ラインには次のようなメリット、デメリットがあるので、実際に取り組む場合にはよく検討する必要があるでしょう。

無人化ラインの主なメリット

  1. 高速な生産が可能になり、生産性が飛躍的に上がる
  2. 作業者ごとの生産のバラツキがなくなる。人手不足による影響を受けにくい
  3. 生産ラインの海外展開など、横展開がしやすい

無人化ラインの主なデメリット

  1. 不良による手直しなどが発生すると人手による対応となり、生産性が急激に落ちる
  2. 急な計画変更や頻繁な段替え対応が発生すると対応が困難
  3. 生産ラインへの投資が高額となり、投資回収のための期間が長期になる

ラズパイを活用してAGVを制御する

 AGVは機器のコストもさることながら、それを制御する通信制御機器やWCS(Warehouse Control System、倉庫制御システム)のソフトウェアに対する導入コストも高額になります。

 従来、工場における制御といえばPLCを使用するのが主流でしたが、ラズパイを使って制御することも可能です。ロボットの一種であるAGVを制御するのにも、ラズパイは十分な性能を備えています。以下の図2は、ラズパイを使って走行制御するAGVの一例になります。

図2
図2 ラズパイを使って走行制御するAGVの一例(クリックで拡大)


 次回は、このラズパイAGVを使って、ラズパイによるAGVの制御について具体的に解説します。

⇒前回(第7回)はこちら
⇒次回(第9回)はこちら
⇒本連載の目次はこちら

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筆者紹介

株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)

NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、

原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。


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