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ラズパイとAI-OCRで生産日報を電子化する(後編)ラズパイで製造業のお手軽IoT活用(5)(1/2 ページ)

小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使って、低コストかつ現場レベルでIoT(モノのインターネット)を活用する手法について解説する本連載。第5回は、前回に引き続き、AI技術の活用事例として注目を集めるAI-OCRとラズパイの組み合わせによる生産日報の電子化について具体的に解説します。

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 今回は、前回に引き続き、小型ボードコンピュータの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、略してラズパイ)」と、機械学習などのAI(人工知能)技術を活用したOCR(光学的文字認識)である「AI-OCR」を組み合わせた事例として「生産日報の電子化」をどのように実現するかについて具体的に解説します。

⇒連載「ラズパイで製造業のお手軽IoT活用」バックナンバー

 生産日報の電子化は、以下の手順で進めます。

  1. 手書きで日報を記入する
  2. 手書き日報をラズパイで読み取り、テキストデータに変換する
  3. テキストデータに変換した日報データを現場画面に表示して内容の確認をする。誤認識している部分は手で修正する
  4. 修正した箇所を機械学習して認識率を向上させる
図1
図1 ラズパイ+AI-OCRによる生産日報電子化の概要(クリックで拡大)

 前回は1.と2.について説明しました。今回は3.と4.について解説します。

3.テキストデータに変換した日報データを現場画面に表示して内容の確認をする

 OCRは100%の変換精度ではないため、データを変換した後で、画面で修正する必要があります。手書きの日報に対して、カメラ付きラズパイで画像を取得してから、OCRのオープンソースソフトウェアである「tesseract(テッセラクト)」で文字のテキストデータに変換した後、日報の修正画面で変換した後の内容を確認します。

 記入者が、カメラ付きラズパイと接続した読み取りのためのBluetoothボタンを押すと、自動的に変換したデータが画面に表示されます。その表示内容と手元の手書き日報の内容を確認しながら、間違いがあればその場所に正しい数字を入力して、確定することにより値を変更します。変更した箇所は赤字で表示されるので確認することができます。

 記入者自身が修正作業を行わない場合は、手書き日報の画像を他の人も見られるように保存しておけば、チェック担当者が内容確認して修正することも可能です。できれば、記入者自身が画面を見て修正する方が望ましいと思いますが、現場の方には作業に集中してほしいというのであれば、まずは修正作業は別の人が行いながら、徐々に現場の人にシフトしていくという方法でもよいでしょう。保存した画像については、読み取った場所に色付けできますので、その箇所を重点的に見ていけばよいかと思います。

 日報の修正画面はHTMLやJavaScriptを使用して作成しました。似たような機能を連載第2回の温度測定事例でソースコードも紹介していますので、興味があればご確認ください。

図2
図2 日報の修正画面イメージ(クリックで拡大)
図3
図3 日報読み取り画像(クリックで拡大)

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