東芝は綱川体制でも「Nextプラン」堅持、目標値を修正して2021年10月に中計発表:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
東芝が2020年度(2021年3月期)連結決算を発表するとともに、新たに代表執行役社長 CEOに就任した綱川智氏の体制による今後の経営方針について説明。前CEOの車谷暢昭氏が推進してきた中期経営計画「東芝Nextプラン」のコンセプトは堅持する一方で、環境変化に応じた計画修正を図り、2021年10月発表予定の「22〜24年中期計画」に反映する。
コロナ影響は減速、インフラシステムとデバイス&ストレージはプラスに
2020年度の連結業績は、売上高が前年度比10%減の3兆544億円、営業利益が同20%減の1044億円、税引前利益が同2010億円改善の1535億円、当期純利益が同2286億円改善の1140億円となった。2021年2月発表の通期業績見通しに対しては、売上高は156億円、営業利益は56億円の未達、税引前利益は335億円、当期純利益は440億円の超過となった。
COVID-19の影響で2838億円、為替影響で299億円の減収となり、これと合わせて営業利益も減益とったものの、前年度のLNG事業譲渡損失892億円の解消やキオクシア持分法損益差となる613億円、東芝ロジスティクス株式譲渡による収益258億円などで税引前利益と当期純利益は大幅な改善を果たした。
COVID-19の影響は2020年度第1四半期をピークに減少傾向にある。2020年度通年の営業損益影響額は965億円に上るが、第1四半期の493億円から、第2四半期209億円、第3四半期190億円、第4四半期は73億円となっている。特に直近の第4四半期では、インフラシステムでは社会システム事業の工期次期ずれ解消などで4億円のプラス、デバイス&ストレージでは半導体製造装置の上期分の売上期ずれ解消で35億円のプラスと、回復基調に入ったセグメントもある。
2021年度の連結業績は、売上高が前年度比6%増の3兆2500億円、営業利益が同62%増の1700億円、税引前利益が同4%増の1600億円、当期純利益が同3%減の1100億円と予想している。
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