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ノートルダム大聖堂の修復を支援、BIMを用いて歴史的なデジタル記録を作成:メカ設計ニュース
Autodeskはノートルダム大聖堂の保全と修復を担当する公施設法人を正式に支援すると発表した。設計・建設技術ソリューションによるサポートおよび技術的知見を提供し、BIMを用いて歴史的なデジタル記録を作成することで、将来起こり得る出来事や修復に対するレジリエンス(復元能力)の向上を図る。
Autodeskは2021年4月19日、フランスのノートルダム大聖堂の保全と修復を担当する公施設法人を正式に支援すると発表した。同社は、設計・建設技術ソリューションによるサポートおよび技術的知見を提供し、BIMを用いて歴史的なデジタル記録を作成することで、将来起こり得る出来事や修復に対するレジリエンス(復元能力)の向上を図る。
ノートルダム大聖堂は、2019年4月に発生した火災により、大聖堂が炎上するなどの被害に遭った。Autodeskは、火災前にリアリティーキャプチャー技術を用いて作られたデータを利用し、倒壊前のノートルダム大聖堂の姿を正確に再現した3D BIMモデルを作成。比較用として、最新のリアリティーキャプチャースキャンによる火災後の3Dモデルも制作している。
公施設法人は、BIMによるデジタルアプローチを採用することで、関係者間でのクラウドコラボレーションが可能になる。共通のデータ環境を全プロジェクト情報を収めたセントラルリポジトリとして利用するため、権限を持つ全関係者が最新データと計画にアクセスできる。
Autodeskは火災以降、フランスのヘリテージ財団(Fondation du Patrimoine)を通じて資金と技術を提供しているが、BIMの採用で修復事業をさらに支援していく。
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