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ギガビットスイッチングHUBによる衛星軌道上でのIPネットワーク通信に成功:組み込み採用事例
OA研究所は、スイッチングハブ「超小型ギガビットスイッチングHUB」が、QPS研究所の小型SAR衛星2号機「イザナミ」の通信ユニットに採用され、打ち上げ後に衛星軌道上でのIPネットワーク通信に成功したと発表した。
OA研究所は2021年4月、スイッチングハブ「超小型ギガビットスイッチングHUB」が、QPS研究所の小型SAR衛星2号機「イザナミ」の通信ユニットに採用されたことを発表した。同年1月25日の打ち上げ当日に、衛星軌道上でのIPネットワーク通信に成功している。
同スイッチングHUBは、2017年10月から産業機器の組み込み用途として発売している。51.6×67×18mmと名刺サイズ以下の大きさに、自動切り替えの10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tを5ポート搭載する。定格入力電圧はDC5Vで、最大消費電力は3.5W。カスタマイズと5〜10年の長期安定供給に対応する。
超小型かつ超軽量であることから、衛星の打ち上げコストにも貢献できる。今回、宇宙空間での運用に対応するため、鉛コーティング実装技術を開発し、スイッチングデバイスも変更した。基板単体で5年間分のγ線照射試験に合格したことで、衛星に搭載されることとなった。
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