医療施設でのAI技術活用に向け、医療サービス分野で提携:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアとコニカミノルタジャパンは、医療サービス分野における提携を本格始動する。提携により、コニカミノルタジャパンのICTサービスで、シーメンスヘルスケアの胸部CT画像AI解析受託サービスを利用可能になる。
シーメンスヘルスケアは2021年4月14日、コニカミノルタジャパンと、医療サービス分野における提携を本格的に開始すると発表した。コニカミノルタジャパンの医療機関向けICTサービス「infomity(インフォミティ)」で、同社の胸部CT画像AI(人工知能)解析受託サービスを新メニューとして提供する。
今回の提携により、主に中〜大規模病院に導入されている同社の「teamplay digital health platform」、診療所を中心に利用されているinfomityという2つのプラットフォームで、AI技術を活用した診断支援サービスを使用できる。
teamplay digital health platform上で提供されるAI画像解析ソフト「AI-Rad Companion Chest CT」は、胸部全体のCT画像から、肺や心臓などの複数部位を一度に解析し、肺結節検出、心臓容積、大動脈計測など7項目を自動でレポートする。
スクリーニングがメインの診療所では、主訴以外の胸部解析情報も得られるため、従来より質の高い診断結果を提供可能になる。中〜大規模病院では、定量的なデータによる診断の質の向上、3Dビジュアルデータによるインフォームドコンセントへの活用が期待できる。
両社は、それぞれの医療プラットフォームの特徴を生かすことで、より多くの医療施設でのAI技術活用を目指すとしている。
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