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心電図から心臓カテーテル治療の要否を瞬時に判断するAI技術医療技術ニュース

慶應義塾大学は、AIを応用して、1枚の心電図から、その患者にカテーテル治療が必要かどうかを80%以上の精度で瞬時に判定する技術を開発した。救急外来における心筋梗塞などの治療の早期化、効率化に貢献する。

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 慶應義塾大学は2019年1月11日、AI(人工知能)を応用して、1枚の心電図から、その患者にカテーテル治療が必要かどうかを80%以上の精度で瞬時に判定する技術を開発したと発表した。同大学医学部 准教授の佐野元昭氏らの研究グループによる成果となる。

 研究グループが開発したのは、時系列データパターンを学習する、新たなニューラルネットワーク構造を持つAIだ。学習には、過去に同大学病院の救急外来を受診した患者約4万人の心電図データを用いた。

 それぞれの心電図について、測定した電圧を順番に並べた時系列データを作成し、これに対して「カテーテル治療の必要性」(実際にカテーテル検査をして冠動脈を広げる治療をしたかどうか)を正解(教師値)としてAIに学習させた。

 このうちの70%を学習用とし、残り30%のデータでこの学習済みモデルを検証したところ、80%以上の精度でカテーテル治療の要、不要を瞬時に判定できた。これは、経験を積んだ循環器内科医が、カテーテル検査を含めたさまざまな情報から総合的に判断していたことを、1枚の心電図から80%以上の確率で再現できることになる。

 心電図は受診すればすぐに検査でき、数分以内に結果が得られる。今回開発した技術を心電計に搭載することで、緊急的なカテーテル治療の必要性を直ちに判定し、医師に提案することが可能になる。この成果は、日本人の死亡原因の第2位である心臓病による死亡を減少させ、健康寿命の延長にもつながることが期待される。

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AIによる治療の早期化(クリックで拡大) 出典:慶應義塾大学

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