コロナ禍でBluetooth搭載機器出荷台数が横ばいに、2021年からは再び成長軌道へ:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
Bluetooth SIGが2025年までのBluetooth搭載機器の年間出荷台数予測をまとめた「Bluetooth市場動向2021」について解説。右肩上がりで成長を続けてきたBluetooth搭載機器の出荷台数が、2020年はコロナ禍の影響により2019年から横ばいの40億台にとどまった。しかし、2021年からは年率10%の成長を見込んでおり、2025年には64億台に達する見込みだ。
スマートグラスにもBluetooth、2025年までに17倍に拡大
データ転送は、ウェアラブル端末やさまざまな用途の広がりを見せているIoT(モノのインターネット)機器が対象市場だ。年間出荷台数は、2020年の8億4700万台から年平均11%で成長し、2025年には14億6000万台まで成長すると予測されている。オーディオストリーミングが2019年から2020年にかけて横ばいだったのに対して、データ転送は2019年の7億5800万台から2020年は8億4700万台に増加している。これは、コロナ禍による健康意識の高まりでウェアラブル端末や医療機器の市場が拡大し、テレワークの増加でPC周辺機器の売り上げが伸びたためだ。
Bluetoothを搭載するウェアラブル端末は2021年に2億5000万台、2025年には4億台まで伸びる見込み。また、市場規模が小さいもののゲーム用や産業用のVR(仮想現実)ヘッドセット、スマートグラスにもBluetoothが採用されており、2025年までに年間出荷台数は17倍になるとしている。
成長率の観点で最も大きく期待されているのが、屋内ナビゲーションやスマートタグなどで活用されている位置情報サービスである。年間出荷台数は、2020年の1億1900万台から年平均32%で成長し、2025年には4億8000万台となる見込み。ただし、2020年については、コロナ禍による建物へのアクセス制限の影響で2019年の1億2200万台から減少した。2021年以降は、資産追跡ソリューションやBluetoothの方向検知機能を用いた屋内ナビゲーションが成長。コロナ禍で求められている医療用の位置情報サービスは、2021年から2025年にかけて導入件数が5倍に増えるという。
デバイスネットワークは、照明やスピーカーなどの多数の機器を統合制御するシステム向けのソリューションで、1つのシステムで数百個〜数千個の機器が出荷されることもあり、やはり成長率の観点で大きく期待されている。年間出荷台数は、2020年の1億7700万台から年平均34%で成長し、2025年には7億7000万台となる見通しだ。今後は、照明制御システムの規格であるDALIとのアライアンスによって、さらにスマート照明へのBluetoothの導入を広げていきたい考えだ。
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