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1時間当たり最大5000本を処理、各種機能を強化した両端端子打機:FAニュース
新明和工業は、ワイヤーハーネス向け電線の端末加工をする両端端子打機「TRD602」を開発した。最大加工能力は1時間当たり5000本で、従来機比で10%向上した。各種機能の強化により品質、歩留まり率の向上に寄与する。
新明和工業は2021年3月10日、ワイヤーハーネス向け電線の端末加工をする両端端子打機「TRD602」を開発したと発表した。同年4月1日から販売を開始し、標準仕様の価格は825万円(税込)。2021年度に100台の販売を目指す。
TRD602は、測長、切断、端子圧着などの端末加工を高速で処理する新型の自動電線処理機。最大加工能力は1時間当たり5000本(両端圧着50mm時)で、従来機比10%向上した。シンプルな画面構成とアイコン表示を採用することで、習熟度に関係なく感覚的な操作が可能となっている。
他にも、端子圧着における高い判定性能を備えた高精度ターミナル・クリンピング・モニター(HTCM)、端子と電線の組み合わせごとに圧着位置を登録できるデジタル圧着機、防水シールを圧着前に電線に挿入できるシール挿入ユニット(開発中オプション)、各種不良レポートを自動作成する遠隔監視システム(RMA-01)など、品質、歩留まり率の向上に寄与する機能を追加している。
電線サイズはAWG16〜28、最高測長速度は秒速3.4m、圧着能力は24.5kN(2.5トン)、ストリップ長は2〜16mm(0.01mm単位)に対応。家電やAV機器などの民生用ハーネス、2輪を含む車載用ハーネスなどに対応可能な、汎用性の高い仕様となっている。
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