ニュース
AIを用いた最適化技術が、ルート配送計画の効率化に有効であることを確認:製造ITニュース
OKIは、AIを用いた最適化技術により、配送に関わる総走行距離を自動的に最小化する「コスト最小型ルート配送最適アルゴリズム」を開発した。走行距離を最適化することで、燃料代や二酸化炭素の排出量も削減できる。
OKIは2021年3月15日、AI(人工知能)を用いた最適化技術により、ルート配送計画を効率化できることを実証実験によって確認したと発表した。
同社は、AIを用いた最適化技術により「コスト最小型ルート配送最適アルゴリズム」を開発。同アルゴリズムは、配送先や配送順、車両に積載する荷物の内訳といった配送計画に基づいて、配送に関わる総走行距離を自動的に最小化する。
OKIは同年2月、ロンコ・ジャパンの協力を得て同アルゴリズムの有効性に関する実証実験を実施した。
実際の配送案件を対象に、配送要件の確定から配送開始までの制限時間内で配送計画を策定したところ、同アルゴリズムで策定した車両13台分の配送総走行距離は、熟練者が算出した配送計画よりも、1日あたり約300km少なかった。また、同アルゴリズムによる計画に従って配送した結果、実際の業務に支障がないことも確認した。
同アルゴリズムを適用して今回実施した、車両13台の配送計画で試算すると、年間約360万円の燃料代が削減できる。また、走行距離の最適化により、CO2の排出量を年間約440kg削減可能だ。
OKIは、今回の実証実験の結果をさらに分析し、同アルゴリズムを実装したルート配送計画の自動化について、2021年度中の実用化を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 熟練者の経験とAIを融合、配送計画の自動立案サービス
日立製作所は、AIやIoT技術を活用し、熟練者の経験を取り入れた独自のアルゴリズムを用いて、効率的な配送計画を自動的に立案する「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」を発表した。 - フォークリフトから倉庫全体へ、トヨタL&Fの描くスマート物流のCASE戦略
豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーは2020年2月7日、都内でスマート物流戦略について発表するとともに、自動運転フォークリフトや無人搬送車のデモを行った。 - 製造業がDXを進める前に考えるべき前提条件と3つの戦略
製造業にとっても重要になる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に注目が集まっている。本連載では、このDXに製造業がどのように取り組めばよいか、その戦略について分かりやすく紹介する。第1回の今回は、DXを進める中で必要になる前提条件と3つの戦略の概要について紹介する。 - いまさら聞けない「製造業のDX」
デジタル技術の進歩により現在大きな注目を集めている「DX」。このDXがどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - CASEはMaaSではない、MaaS実現のための5つの要件
MaaSの発祥地であるフィンランドを訪れ、政府や関連企業にインタビューを敢行した。さらに、デンマークのコペンハーゲンで開催された第25回ITS世界会議にも参加して、MaaSとは何かを突き止めようとした。このコラムは、現時点では漠然としたMaaSという概念に対して、筆者なりに足で稼ぎ、要件としてまとめたものである。 - 世界を席巻する黒船「MaaS」が本格上陸へ、日本の自動車業界に迫る決断の時
ウーバー(Uber)に代表されるライドシェアやカーシェアは「MaaS(Mobility-as-a-Service)」として、世界各地で急激に市場を拡大している。日本でも、間もなくMaaSの本格導入が始まる可能性が高い。このMaaSに対して日本の自動車業界はどう対応するのか。決断の時が迫っている。