切創災害リスクをVR空間で体験できるVR教育ツールを開発:VRニュース
クリーク・アンド・リバー社は、きんでんと共同で「VR教育ツール ナイフの使い方 切創災害コンテンツ」を開発した。ナイフ使用時の危険性や誤った使い方による災害リスクをVR空間内で体験できる。
クリーク・アンド・リバー社(C&R社)は2021年3月15日、きんでんと共同で、「VR教育ツール ナイフの使い方 切創災害コンテンツ」を開発したと発表した。ナイフ使用時の危険性や誤った使い方による災害リスクを、VR(仮想現実)空間内で体験できる。
同コンテンツは、きんでん社内の労働災害の防止と高品質な工事施工の実施を目的に開発。VRアプリケーションシステムはC&R社が開発し、教育シナリオの構築と監修はきんでんが担当している。
両社はこれまで、VR技術を活用した可搬型の教育ツール「VR電力量計アーク災害体感教育ツール」「VR高所作業車逸走災害体感教育ツール」を共同で開発している。同コンテンツは、それらに続く第3弾となる。
従来のコンテンツはコントローラーを必要としたが、今回は素手でVR空間にあるものを操作できるハンドトラッキング機能(ジェスチャーコントロール機能)を採用。VRゴーグルを装着した状態で自身の手先を動かすことで、VR空間内で手先の細やかな動きを再現できる。
実際のダミーナイフと電線を持ちながら体験が可能で、利き腕とナイフの持ち方の選択にも対応する。正しいナイフの角度でのみ電線がむける設計となっており、ナイフが手に当たると切創災害が発生する。
機器の設置や設定作業、運搬が容易で、新規コンテンツの追加にも対応する。なお、VRゴーグルは「Oculus Quest」を使用し、最新のオールインワンVRシステム「Oculus Quest2」でも動作を確認している。
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