ニュース
従来機の2倍サイズに対応、大物金型向け5軸制御立形マシニングセンタの新製品:FAニュース
牧野フライス製作所は、5軸制御立形マシニングセンタの最大機種となる「V100S」を発売した。最大ワークサイズが従来機の2倍、搭載質量は3倍となっており、高速で高品質な仕上げ加工が可能なため、大物金型加工の生産性向上に貢献する。
牧野フライス製作所は2021年2月24日、5軸制御立形マシニングセンタ「V100S」を発売した。出荷開始は同年8月からで、価格は8900万円(税別)。年間45台の販売を計画している。
V100Sは、同時5軸加工が可能なスラントタイプ主軸を搭載した「V80S」「V90S」に続くシリーズで、最大機種となる。V90Sと比較して、最大ワークサイズは2倍(2000×2500×1050mm)、搭載質量は3倍(1万5000kg)となっている。
コンパクトな主軸と回転、傾斜軸の採用で、高速かつ高い面品位を提供する。また、スラント構造により、5軸が同時に滑らかに動作する。精度調整作業を削減し、高品質な仕上げ加工が可能なため、大形機の生産性を向上する。
大きな金型は、クレーンを用いて容易にワークを搬出入できる。加工室内で安全に作業ができるため、オペレーターの負担を軽減する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 牧野フライス製作所がAGVにロボットアームを搭載した自動搬送システムを披露
牧野フライス製作所は「INTERMOLD 2019(第30回金型加工技術展)/金型展2019」で、自社開発のAGVにファナック製ロボットアームを搭載したモバイルロボット「iAssist」を用い、工具の搬送とワークの搬送の2系統を自動化するシステムのデモンストレーションを披露した。 - レーザー加工だけで実現する撥水効果、金型表面に施し離型効果2割以上増加
牧野フライス製作所は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、切削加工だけで撥水効果をもたらす加工パターン「ロータスパターン」を紹介した。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。