ニュース
レーザー加工だけで実現する撥水効果、金型表面に施し離型効果2割以上増加:JIMTOF2018
牧野フライス製作所は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、切削加工だけで撥水効果をもたらす加工パターン「ロータスパターン」を紹介した。
牧野フライス製作所は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、切削加工だけで撥水効果をもたらす加工パターン「ロータスパターン」を紹介した。金型表面などでの活用を提案し、離型効果向上を目指す。
撥水加工をもたらすロータスパターンとは
牧野フライス製作所が開発する「ロータスパターン」は、1000兆分の1の超短パルスレーザーによる加工で、蓮の葉の表面形状を模して作られた加工パターンである。この加工パターンを金属表面に施すことで撥水効果を得られることから、同パターンをさまざまな用途に活用しようと提案を進めている。
用途として有力視されているのが金型である。射出成形機の金型などではうまく型とワークが離れずに、歩留まりや作業効率が落ちるようなことがよく起こるが、金型表面にこのロータスパターンを施し撥水性を高めることで、離型性の改善が狙える。既に実証は進めているが「2〜3割は離型性を高めることができる」(ブース説明員)としている。
関連記事
- 町工場でも使える工作機械のデータ活用基盤、牧野フライス製作所が披露
牧野フライス製作所は「JIMTOF2016」において、同社独自の工作機械のデータ活用基盤「ProNetConneX」を披露した。 - それでも製造業にとって“スマート工場化”が避けては通れない理由
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第25回となる今回は「そもそもスマート工場化って必要なの?」という点について考察してみたいと思います。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。 - 好況に沸く工作機械メーカーは盤石か!? 課題は営業力にあり
企業再生請負人が製造業の各産業について、業界構造的な問題点と今後の指針を解説する本連載。今回はリーマンショック前の勢いを取り戻しつつある日系工作機械メーカーの動向と課題について取り上げる。 - 生産技術の進化がなければ、TNGAもハイブリッドシステムの向上も成立しない
他社がまねできない技術には、工作機械メーカーの協力が不可欠――。「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」の特別講演で、「TNGA(Toyota New Global Architecture)」やエコカー戦略を支える生産技術について、トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー ユニット生産技術領域 常務理事の近藤禎人氏が語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.