NECのAI画像認識技術が実運用へ、袋入りパンの認識や非直方体形状の寸法計測など:リテールテックJAPAN 2021
NECは、「リテールテックJAPAN 2021」において、小売りや物流の分野で間もなく実用化段階に入るAI(人工知能)画像認識技術を披露した。
NECは、「リテールテックJAPAN 2021」(2021年3月9〜12日、東京ビッグサイト)において、小売りや物流の分野で間もなく実用化段階に入るAI(人工知能)画像認識技術を披露した。
小売り分野では、カメラを使って袋やパックに包装された商品を認識するとともに会計を行うソリューションを紹介した。展示デモでは、透明の袋で包装されたパン(の模型)を1秒程度のスピードで認識できる様子を見せた。カメラはフルHD対応の一般的なものを用いており、別途用意したAI画像認識を行うサーバと連携するPOSについても、既存のものを利用できるようにしている。
「商品を認識するAIのアルゴリズムはNECで独自に開発したものだ。各商品を認識できるようにするための学習用の画像は数枚あればよく、ポリ袋などの透明の袋で包装された商品についても高い精度で認識できる」(NECの説明員)という。既に一部顧客との実証実験などを進めており、2021年春ごろの正式リリースを目指して開発を進めている。
物流分野では、荷物のサイズを計測するソリューションの展示を行った。計量台の上方に設置した3Dカメラを用いて荷物の縦、横、高さの寸法を1秒程度で計測し、併せて重量と撮影した荷物の写真を含めた計測情報をデータ化する。
従来は、段ボール箱などに梱包された直方体形状の荷物の寸法計測にのみ対応していたが、2020年末からはキャリーケースや紙袋を使って梱包した荷物、円筒形状の製品など、直方体形状以外の荷物の寸法計測にも対応した。「直方体形状以外の寸法計測では、その荷物が収まる直方体の縦、横、高さの寸法を出力するようにしている。これは、宅配便などで直方体形状以外の荷物もそのような寸法で計測して取り扱っているためだ」(NECの説明員)という。実証実験の後、現在は顧客向けのカスタマイズ開発を進めている段階で、間もなく実運用される見込みだ。
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