プロジェクションマッピング技術で不良品をマーク、検査作業を支援する新サービス:FAニュース
NECソリューションイノベータは2020年9月2日、プロジェクションマッピング技術を活用して生産ライン上の不良品や異物をマーキングする「NEC AI・画像活用見える化サービス/動的マーキングオプション」を提供開始すると発表。AIで生産ライン上の製品品質などを検査するサービス「NEC AI・画像活用見える化サービス/生産管理・検査支援」のオプション機能として提供し、検査作業の効率化などを支援する。
NECソリューションイノベータは2020年9月2日、プロジェクションマッピング技術を活用して生産ライン上の不良品や異物をマーキングするサービス「NEC AI・画像活用見える化サービス/動的マーキングオプション」(以下、動的マーキングオプション)を提供開始すると発表した。AI(人工知能)で生産ライン上の製品品質などを分析するサービス「NEC AI・画像活用見える化サービス/生産管理・検査支援」のオプション機能として提供する。
動的マーキングオプションの導入費は30万円から、利用料は月額5万円からとなっている。価格はいずれも税別。上記に加えて、プロジェクターは別途購入する必要がある。
カメラで生産ライン上を流れる製品や部品を撮影し、その映像をAIで分析して不良品や異物など対象物の有無を判定する。判定結果に従ってプロジェクターが動作し、対象物に光を投影してリアルタイムでマーキングを行う。光は生産ラインの流れに合わせて対象物を自動で追跡する仕組みだ。これによって、検査作業や仕分け作業における作業効率を向上させるとともに、製品品質の向上も支援する。
動的マーキングオプションは主に食品製造業向けのサービスとして展開する予定だという。食品製造業では近年、検品作業を担当する熟練作業者の高齢化に伴って人手不足が深刻化しており、外国人労働者の受け入れが進んでいる。こうした経験の浅い作業者への技術継承が近年課題となっているが、動的マーキングオプションを使えばAIに学習させた熟練作業者の技術を誰でも視覚的に把握できるようになるため、ノウハウ共有に一定の効果があるとする。
NECソリューションイノベータは動的マーキングオプションの販売目標として、サービス提供開始から3年間で30社に導入するとしている。
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