脱脂工程を排除し“造形+焼結”の2ステップで金属部品を製造できる3Dプリンタ:3Dプリンタニュース
Bruleは、米Desktop Metal製の金属3Dプリンティングシステム「Studio System 2」の日本国内での取り扱いを開始した。溶剤を使用したデバインダー(脱脂)工程を排除することで、“造形+焼結”というシンプルな2段階プロセスでの金属パーツ製造を実現した。
Bruleは2021年2月3日、米Desktop Metal製の金属3Dプリンティングシステム「Studio System 2」の日本国内での取り扱いを開始したことを発表した。
従来製品の「Studio System」は、MIM(金属粉末射出成形)を応用した独自のBMD(Bound Metal Deposition)方式を採用する金属3Dプリンタ、デバインダー(脱脂)装置、焼結装置の3つのシステムで構成され、金属粉末やレーザーを使用し、特別な設備などを必要とする既存方式よりも、安全かつ安価に金属パーツを作り出すことができる。
今回、Bruleが取り扱いを開始するStudio System 2は、従来製品(Studio System)の利点はそのままに、溶剤を使用したデバインダーの工程を排除。これにより、“造形+焼結”というシンプルな2段階プロセスでの金属パーツ製造を可能とし、これまで以上の使いやすさを実現した。
Studio System 2では、表面仕上げの品質を改善するため、新たに開発された材料配合と特別に配合されたセラミックインタフェース(手などで簡単に分離できるサポート)を備え、均等な焼結処理を実現し、ひび割れや反りを可能な限り低減する。
また、専用ソフトウェアには新たな印刷/焼結プロファイルが組み込まれており、複雑な造形や冶金(やきん)プロセスを自動化する。これにより、従来のStudio Systemで製造されたものよりも、寸法精度、表面粗さ、材料特性が向上した高品質な金属パーツを簡単に作成できるという。
Studio System 2(金属3Dプリンタ本体)のサイズは94.8×82.3×52.9cmで、重さが97kg。最大造形サイズは300×200×200mmで、積層ピッチは0.05〜0.3mmである。造形材料はステンレス鋼(SUS316L)に対応する。
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