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金属フィラメントにも対応する話題の3Dプリンタ「Adventurer3X」を試してみた製品レビュー(1/5 ページ)

金属フィラメントにも対応する、デスクトップ型FDM方式3Dプリンタ「Adventurer3X」をご存じだろうか。特別にレビュー機をお借りできたので、今回は開封の儀と、ざっと使用してみてのファーストインプレッションをお届けする。

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Adventurer3Xの実力やいかに?

 FLASHFORGE(フラッシュフォージ)が“日本限定モデル”として販売を開始したデスクトップ型のFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタ「Adventurer3X」をご存じだろうか?

 低価格、コンパクト、手間いらず、静音動作など、好評だった従来機種「Adventurer3」(2018年7月発売、6万3000円[税別])の特長をそのままに、金属フィラメントに対応した新モデルで、カーボンファイバー製プラットフォームや0.3mmの小径ノズル、排気フィルターが標準で付属するなど、さまざまな面でバージョンアップを遂げている。Adventurer3Xの販売価格(税別)は8万9000円だ。

 今回、FLASHFORGEの日本総代理店であるApple Treeのご厚意で、特別にレビュー機をお借りできたので、今回は開封の儀と、ざっと使用してみてのファーストインプレッションをお届けしたい(ただし、フィラメントはPLAを使用)。なお、先にお断りしておくが、筆者は従来機種のAdventurer3を使用したことがないため、既知の機能や性能に言及する部分もあるが、それらを含めたAdventurer3Xの魅力をお届けできたらと思う。

FLASHFORGEのデスクトップ型FDM方式3Dプリンタ「Adventurer3X」
FLASHFORGEのデスクトップ型FDM方式3Dプリンタ「Adventurer3X」 (クリックで拡大)

アンダー10万円で金属フィラメントも使える!

 まずは、Adventurer3Xの主なスペックについて、簡単に確認しておこう。

 本体サイズは388×340×405mm、重さは約9kgと、筐体がしっかりと覆われているデスクトップ型3Dプリンタとしては非常にコンパクト(従来機のAdventurer3も同じサイズと重量)。筆者が個人で使用している「ダヴィンチ Jr.1.0」(XYZプリンティング製/発売:2015年4月)も小型機に属しているが、さらに小さく、重量も3kgほど軽いため、(個人差はあると思うが)設置や移動が簡単に行える。

 最大造形サイズは、これまた従来機(Adventurer3)と同じで、150×150×150mmを確保しており、実はダヴィンチ Jr.1.0と同サイズでもある。ちょっとした玩具やフィギュアの小物などの製作(ホビーユース)が中心で、大きなモノを頻繁に造形しないのであれば、十分満足できるサイズ感ではないだろうか。シングルヘッドで、従来の0.4mmの大径ノズルに加え、新たに0.3mmの小径ノズルが付属する。造形精度は0.05〜0.4mm。使用できる素材としては、ABS、PLA、金属フィラメント(ステンレス316)などに対応する。

 なお、金属フィラメントを使用した場合は、造形物を脱脂および焼結することで金属パーツとして仕上げることができる。この一連の後加工のプロセスをサービスとして提供する準備を進めており、後日、正式にローンチする予定だとか。金属フィラメント(1kg)の想定価格は2万円である。

PCデスクの上にもすっきり置けるコンパクト設計

 それでは、外箱の開封から設置、初期設定について、写真を交えながら紹介していこう。

 外箱の段ボールは本体色と統一感のある黒色で、片側に日本語表記も見られる。梱包込みの重量は13kg。箱を開けてみると、最初に付属品一式が顔を出す。中身は、日本語マニュアル(紙)、カード型USBメモリ(専用ソフトウェアのインストーラーなど)、サンプル用のPLAフィラメント(ライトグレー、500g)、電源ケーブル、スティックのり(プラットフォームと造形品の定着が良くなる)、排気フィルター、0.3mm小径ノズル、標準仕様のプラットフォーム、メンテナンス用品だ。

外箱付属品本体 「Adventurer3X」開封の儀 (クリックで拡大)
外箱付属品本体 付属品について[電源ケーブル、標準仕様のプラットフォーム、PLAフィラメント] (クリックで拡大)
外箱付属品本体 付属品について[0.3mmノズル/排気ファン、カード型USBメモリ、メンテナンスツール] (クリックで拡大)

 その下に、緩衝材に包まれた本体が収納されている。重量も軽いため、取り出しもさほど苦にはならなかった。本体には、傷や破損防止のテープ類や補強材がしっかりと付いているので設置前に取り外す必要がある。特に、プリントヘッドとプラットフォーム部には、かなりしっかりと補強材がセットされており、取り除くのにやや苦労した。後から分かったことだが、電源投入後にタッチパネルの[設定]メニューからヘッドの[移動]を呼び出し、プリントヘッドを上方向に動かせば簡単に取り外せたようだ。

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