ラボ内の液体クロマトグラフ稼働状況を遠隔管理するソフトウェア:製造マネジメントニュース
島津製作所は、ラボ内の液体クロマトグラフの稼働状況を遠隔管理するソフトウェア「LabTotal Smart Service Net」、液体クロマトグラフ質量分析計の解析ソフトウェア「LabSolutions LCMS/Insight」を発売した。
島津製作所は2020年12月28日、ラボ内の液体クロマトグラフ(LC)の稼働状況を遠隔管理するソフトウェア「LabTotal Smart Service Net」と、液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)の解析ソフトウェア「LabSolutions LCMS/Insight」を発売した。
LabTotal Smart Service Netは、ラボ内のLCの稼働状況をクラウドサーバ上で管理し、装置異常や消耗品の減り具合を管理者にメールで通知する。保守点検用WebサイトのURLも同時に送るため、対処方法などを容易に把握でき、装置の稼働率向上やラボ業務の継続が可能になる。VPNなどの通信インフラを別途用意する必要がなく、低コストで導入できる。
LabSolutions LCMS/Insightは、新型コロナウイルス感染症に伴う2020年4月の緊急事態宣言発令に伴い、ラボに出勤できない研究者向けに無料配布した解析ソフトウェア。国内外で累計1000件以上のダウンロードを記録したが、この機能を継続的に利用できるように製品化した。
従来は測定結果をラボ内のPCで解析していたが、同ソフトウェアを利用することで、自宅などの遠隔地でも解析やレポート作成作業ができるようになる。
価格(税別)は、LabTotal Smart Service Netが年間12万円から、LabSolutions LCMS/Insightが100日間ライセンスで4万円となっている。
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