卓上での小ロット生産も可能に、樹脂型にも利用可能な3Dプリンタ用高剛性レジン:TCT Japan 2021
Formlabsは「TCT Japan 2021」に出展し、Form 2/Form 3用の新材料「Rigid 10K Resin」とその造形サンプルを展示し、射出成形用樹脂型などへの適用イメージを提案した。
Formlabsは3Dプリンティング&AM(Additive Manufacturing)技術の総合展示会「TCT Japan 2021」(会期:2020年12月9〜11日、会場:東京ビッグサイト)に出展し、同社3Dプリンタ(Form 2/Form 3)用新材料「Rigid 10K Resin(リジッド10Kレジン)」とその造形サンプルなどを訴求していた。
Formlabsが提供する材料の中で最も高い剛性を誇る
Rigid 10K Resinは、同社が提供する材料の中で最も高い剛性を誇り、耐熱性および耐薬品性にも優れている。用途としては、タービンおよびファンの羽、エンジニアリング用途のケーシング、治工具、射出成形用樹脂型などの製作に適しているという。
これまで提供してきた「Rigid 4000 Resin(旧名称:Rigid Resin)」よりもRigid 10K Resinではガラス繊維の配合率をアップ。専用の自動二次硬化装置「Form Cure」で硬化処理を施すことで、剛性、耐熱性、耐薬品性といったRigid 10K Resinが持つ本来の材料特性が得られる。なお、製品名に付く「10K」は、材料の引張弾性率(MPa)を表しているとのことだ。
Rigid 10K Resinを用いた造形物の仕上がりは、きれいな白色で、手触りもマットで滑らかだ。
同社ブースでは、Rigid 10K Resinで造形した射出成形用樹脂型と、同型で成形した樹脂パーツなどを展示。「Form 2/Form 3のようなデスクトップ型3Dプリンタと小型・手動射出成形機があれば、気軽に、卓上で小ロット生産が実現できる」(説明員)とアピールしていた。
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