Formlabs、ゴムやTPUを模したエンジニアリングレジンを発表:3Dプリンタニュース
Formlabsは、ゴムやTPU(熱可塑性ポリウレタン)を模したエンジニアリングレジン「Flexible 80A Resin」と、同素材が属する素材ファミリー「Flexible and Elastic Resins」を発表した。
Formlabsは2020年7月2日、ゴムやTPU(熱可塑性ポリウレタン)を模したエンジニアリングレジン「Flexible 80A Resin」と、同素材が属する素材ファミリー「Flexible and Elastic Resins」を発表した。
Formlabsは、新たなエンジニアリングレジン「Flexible 80A Resin」と、同素材が属する素材ファミリー「Flexible and Elastic Resins」を発表した ※出典:Formlabs [クリックで拡大]
高性能で使いやすいソフト素材のライブリを拡張
Flexible 80A Resinは、既存の「Flexible Resin V2」を再調合したエンジニアリングレジンで、ショアA硬度50の特性を有し、ゴムやTPUの柔軟性を再現する。また、Flexible and Elastic Resinsファミリーの中で最も柔軟性と強度のバランスに優れ、繰り返し使用しても、曲げやたわみ、圧縮に耐えられるという。ハンドルやグリップ、シール、ガスケット、マスクなどの他、緩衝材、あるいは靱帯解剖学(軟骨や腱)などでの利用に最適だとしている。
Flexible and Elastic Resinsファミリーは、シリコン、ウレタン、ゴムパーツのアウトソーシングおよびモールディングに代わるアプローチとして、フレキシブルパーツの短時間での自社生産(3Dプリンティング)を支援する、高性能で使いやすいソフト素材ライブラリを取りそろえた素材ファミリーである。
今回発表されたFlexible 80A Resinの他にも、「Elastic 50A Resin」(旧:Elastic Resin)が、Flexible and Elastic Resinsファミリーに属する。Elastic 50A Resinは、Flexible 80A Resinと同じくショアA硬度50の特性を有し、同社素材の中で最も軟らかいエンジニアリングレジンとなる。シリコンを用いて製造されるパーツのプロトタイピングに最適だという。また、曲げ伸ばしや圧縮に強いため、素早く元の形状に復元させる必要のあるパーツなどにも適用可能である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。 - いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - JVCケンウッドが痛感した3Dプリンタの量産活用における難しさと解決への筋道
日本HP主催「HP デジタルマニュファクチャリング サミット 〜3Dプリンターによる、ものづくりのデジタル革新〜」において、JVCケンウッドは「JVCケンウッドが推進するデジタルマニュファクチャリングの取り組み」をテーマに講演を行った。 - 3Dプリンタの種類と3Dデータのファイル形式
連載「『ミニ四駆』ボディーを3Dプリンタで作ろう」では、前回シリーズで作成したミニ四駆ボディーの3Dモデルデータを使って、実際に3Dプリントするまでの流れを紹介。第1回は、3Dプリンタの種類と3Dデータのファイル形式について解説する。 - 3Dプリンタがなくなる日
3Dプリンタは、3Dプリンタと呼ばれなくなったときに、本当に身近なものになるのかもしれない。FABカルチャーを発信するスタジオを運営する神田沙織氏が、自身の活動を紹介しながら家庭向け3Dプリンタを取り巻く現状について語った。